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液晶パネル設備投資8割増、過去4年で最高


ニュース 電子 作成日:2015年5月11日_記事番号:T00056896

液晶パネル設備投資8割増、過去4年で最高

 台湾の液晶パネル大手4社が計画する今年の設備投資額は、合計で最大795億台湾元(約3,100億円)と前年比8割増、過去4年で最高となる。各社とも市況を好感しており、生産能力拡大と技術のボトルネック解消を進める。11日付経済日報が報じた。

 4社の今年の設備投資額は大きい順に、▽友達光電(AUO)、400億元(前年比135%増)▽群創光電(イノラックス)、350億元(70%増)▽中華映管(CPT)、20億〜25億元▽瀚宇彩晶(ハンスター)、15億〜20億元──。

 AUOは主に中部科学工業園区(中科)の第8.5世代パネル工場と中国・昆山市の第6世代低温ポリシリコン(LTPS)パネル工場の生産能力増強に充てる。彭双浪(ポール・ポン)同社総経理は、8.5世代工場の月産能力を今年2万5,000〜3万枚(ガラス基板投入ベース)増やすと表明。8.5世代工場は2016年から、昆山工場は同年下半期から生産能力が増える見通しだ。

 一方、段行建イノラックス董事長は、年内に高雄市の路竹工場で稼動を計画する6世代LTPSパネルラインと、来年第3四半期に量産予定の8.6世代ラインの生産能力拡充に投資すると表明した。LTPSラインの月産能力は当初2万3,000〜2万4,000枚の計画で、来年第1四半期から少量出荷を開始する予定だ。

 イノラックスは路竹工場の8.5世代ラインにおける大型パネルの生産能力も拡充する。来年第3四半期に稼動予定で、毎月の出荷枚数が4万枚増える見通しだ。

 AUO、イノラックスは設備投資額を自前で捻出するとみられている。ただ両社は資金不足に備えて、最大9億5,000万株の新株発行を通じた現金増資などを行い、それぞれ市場から140億〜150億元の資金を調達する計画もある。

 モバイル端末の画面の高解像度化などを受け、中小型パネルに注力する中華映管とハンスターも生産を拡大する。中華映管は、今年の設備投資は主に台湾の6世代工場の設備改修、技術向上、ボトルネック除去に、ハンスターは主に薄型化、高精細化を実現する設備購入に充てると説明した。

中台の生産拡大、設備メーカーに恩恵

 液晶パネルの生産拡大は中国メーカーも進めており、今年は設備メーカーの受注が旺盛だ。帆宣系統科技(マーケテック・インターナショナル)の他、盟立自動化(Mirleオートメーション)、均豪精密工業(GPM)などは受注が満杯で、一部メーカーは来年まで受注見通しが立っている。

 マーケテックの手持ち受注は100億元を超えており、今年下半期まで納期予定が立っている。

 盟立の手持ち受注は40億元以上。同社主管は、中台のLTPSパネル工場建設に伴う商機獲得に向け、同社は昨年1億元近くを投じて中科工場にウルトラクリーン実験室を設けたことで、今年初めに10億元以上の受注を獲得したと説明した。

 GPMの葉勝発董事長は、同社の手持ち受注は12億元以上で、受注見通しは来年まで立っていると明かした。

【表】