ニュース 社会 作成日:2015年5月20日_記事番号:T00057057
中国大陸にほど近い台湾領、馬祖列島(連江県)の海岸では毎年4月から9月にかけて海藻が青く光る「藍眼涙(青の涙)」と呼ばれる現象が発生し、観光客の人気を呼んでいる。交通部観光局・馬祖国家風景区管理処が19日、「青の涙」を鑑賞するツアーイベントを開始したところ、申し込みが殺到し、あっという間に満員となってしまった。
海沿いの岩場に広がる「青の涙」。幻想的な光景だが、中国の汚染が生み出した虚飾の光と言えるだろう(連江県政府観光局フェイスブックより)
「青の涙」は馬祖海域で海藻類が大量に発生した2年ほど前から注目され、台湾出身の映画監督、李安(アン・リー)監督のアカデミー賞受賞作品『ライフ・オブ・パイ』の漂流シーンのようだとして人気が高まった。同列島を訪れる観光客は従来、年間延べ8万人程度だったが、昨年は13万人まで増加した。「青の涙」鑑賞ポイントにはシーズン中、毎晩のように3〜4台の観光バスが押し寄せているという。
今回、観光局が主催するツアーは、中台間の緊張が続いていた時代に南竿島に築かれた地下埠頭、「北海坑道」の中を伝統的な漁船で巡り、「青の涙」を鑑賞するというもの。「青の涙」は波の高さや海水の透明度などによって鑑賞できない場合もあるというが、人工的な光のない暗闇の坑道の中では目撃できる確率が非常に高いことから申し込みが集中したようだ。
ただこの「青の涙」、神秘的な自然現象として感動を呼んでいるようだが、中国沿岸部における生活排水や農業排水による海水汚染が生み出したものとの研究結果も出ており、同様の現象が確認されている金門島では、水質の異常や生態系の破壊につながる可能性もあるとして観光資源化することを控えている。
こうした指摘に対し連江県では、既に台湾大学に「無害な夜光海藻」の繁殖研究を依頼しており、研究を主導する周宏農・同大教授は、生態系にダメージを与えない人工海藻の培養を進め、さらに年間を通じて「青の涙」を鑑賞できるようにすることを目指すと語っている。
ただ、「人工の涙」となっても現在のような人気が持続するかどうかは未知数と言えそうだ。
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