ニュース その他分野 作成日:2015年5月21日_記事番号:T00057106
経済部統計処が20日発表した4月の輸出受注総額は373億2,000万米ドルで前年同月比4%減少し、春節(旧正月)の影響を受ける1、2月を除いては2013年7月以降で初の前年割れとなった。原油安による化学品、プラスチック・ゴム製品の受注額減少に加え、中国地場サプライチェーンの台頭で中国からの液晶パネル、電子製品の受注が減り、中国・香港向け受注額の減少幅が08年の世界金融危機後で最大となったことが響いた。21日付工商時報などが報じた。
化学品の4月輸出受注額は17億3,000万米ドルで前年同月比19.2%減、プラスチック・ゴム製品は19億3,000万米ドルで9.2%減だった。両品目は昨年8月以来マイナス成長が続いている。
情報通信製品の受注額は前年同月比6.1%増の100億5,000万米ドルで、品目別で唯一プラス成長となった。ただ、同品目の受注額は昨年9月以降、今年2月を除いて2桁成長が続いていただけに減速感が否めず、今後の動向が懸念される。
電子製品の受注額は96億7,000万米ドルで前年同月比0.9%減少し、今年2月を除けば13年7月以降で初の前年割れとなった。新興市場におけるモバイル端末の需要減少が影響した。
精密機器(液晶パネル含む)の受注額は23億7,000万米ドルで13.6%減少した。パソコン、携帯電話向けパネルの需要不振、タッチパネルメーカーの受注減などが響いた。
この他、基本金属の受注額は21億2,000万米ドルで前年同月比15.7%減少した。世界市場における鉄鋼製品の供給過剰、および台湾以外のアジア鉄鋼メーカーが低価格での受注を競い、台湾メーカーの受注が量・価格ともに低下した。
機械の受注額は18億5,000万米ドルで前年同月比5.3%減少した。需要減少以外にも、台湾元が対米ドルで上昇した一方、日本円、ユーロが下落したことも響いたとみられる。
日本向け、8カ月連続前年割れ
中国・香港向けの4月輸出受注額は91億7,000万米ドルで前年同月比10.3%減少、3カ月連続のマイナス成長となった。品目別の減少額は大きかった順に▽化学品、3億4,000万米ドル(35.8%減)▽電子製品、2億7,000万米ドル(8.2%減)▽精密機器、2億2,000万米ドル(12.9%減)──。
この他、日本向けの4月受注額は25億1,000万米ドルで、前年同月比29%減の大幅減となった。日本向けマイナス成長は8カ月連続。品目別では電子製品が38.2%減、情報通信製品が35.9%減と減少幅が大きかった。液晶テレビやノートPCの受注減が主因だ。
受注回復は7月以降
林麗貞・統計処統計長は、5月の輸出受注額は4月より増えるが、昨年5月が好調だったため、2カ月連続の前年割れとなる可能性があると指摘。ただ、そうなったとしても減少幅は1%前後に縮小すると予想した。また、6月までは輸出受注額を押し上げる好材料もなく、最近の原油価格上昇もすぐには効果が表れないため、輸出受注の回復はモバイル端末の新製品発売が期待できる7月以降になるとの見通しを示した。
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