ニュース 社会 作成日:2015年5月26日_記事番号:T00057161
台湾北海岸の景勝地、野柳地質公園(新北市万里区)にある、海水の浸食や風化によって女性の横顔のような形に削られた有名な奇岩「女王頭(クイーンズヘッド)」は、現状では10年以内に崩落する可能性があるとされる。年間延べ300万人もの観光客を集める重要な観光資源の危機を受け、ハイテク技術を活用して崩落を食い止めようと努力が続けられているが、現時点で有効な方法は見つかっていない状況だ。
首が折れれば旅行業界への影響は必至で、「観光局は万一に備えて新たな見どころを創出すべき」との声も上がっている(中央社)
女王頭の「首回り」は現在126センチメートルで、10年前の144センチから約20センチ細くなっており、年平均で2センチずつ風化・侵食が進んでいることが分かる。このため野柳地質公園を管轄する北海岸・観音山国家風景区管理処(北観処)は、自然条件が変わらなければ5〜10年で、震度7以上の地震や強烈な台風が襲来した場合、すぐにでも「首が折れる」状況にあると指摘している。
なお人工的な方法で女王頭の「延命」を図る処置に対して、一部では「自然の摂理に委ねるべき」と反対する声も上がっている。しかし、昨年1月に行ったアンケート調査で地元住民の63%がハイテク技術を使った補修に賛意を示し、観光客、専門家に対する調査でも50%以上の賛同を得たことから、同年8月に台湾大学・高分子研究所がナノテクノロジーを利用した薬剤を女王頭近くの岩に付着させる強化法のテストに着手。これまで9カ月にわたり、さまざまな実験が進められてきた。
この方法が成功すれば岩の強度はコンクリートの2倍に達するとされるが、現地では昼夜の気温差が大きいことや、連日の降雨が原因で薬剤の塗装面や岩の表面が剝げ落ちたり、岩の白化現象が起きるなど、現時点で完璧な強化策は見つかっていない。
ただ、補修チームを指揮する謝国煌教授は「白化現象を防ぐ新たな方法が見つかっており、今後、岩への処理を施し、3カ月間の観察を行う」とまだ諦めていない。
北観処は「外観、色合い、美的感覚」の基準を全て満たす方策が見つかってから女王頭に対する処置を進めるとしている。それまでに大きな地震や台風が起きなければいいのだが。
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