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新人社員に董事長が「賭け」要求、詐欺容疑も


ニュース 社会 作成日:2015年5月27日_記事番号:T00057187

新人社員に董事長が「賭け」要求、詐欺容疑も

 蘋果日報にこのほど寄せられた投書によると、ある台中の会社に就職した新入社員が研修の際に董事長から「賭け」を持ち掛けられ、社員がことごとく負けて、給与をもらわぬうちに数千台湾元を会社から取られていたことが明らかとなった。

 問題が指摘されているのは台中市の保険代理店、龍鼎保險代理人。同社では新入社員に対し2週間の無給研修を受けさせているが、投書した元社員によると、その過程で陳弘杰・同社董事長が般若心経を金文字でプリントしたガラス張りの壁を新入社員に見せ、このガラスの設置について業者を探して見積もりを出してもらうよう指示。参加者からまず1,000〜5,000元の賭け金を徴収し、見積もりが実際の設置費用を下回れば50%の昇給または最高26万4,000元の賞金を与え、上回れば賭け金が取られたという。

 これに対し元社員は「おかしい」と感じたが、董事長から「仕事が欲しくないのか」と言われ渋々賭けに参加。6社からガラス設置費用1万5,000元〜2万5,000元の見積もりを取った。しかし実際の費用はわずか4,500元で惨敗、賭け金5,000元を失った。ちなみに参加した社員全員が負けたという。

 「この賭けが(保険会社の)研修と何の関係があるのか」と疑問を呈した社員もいたそうだが、董事長からは「挑戦する気持ちのない者が仕事のプレッシャーに勝てるか」という言葉が返ってきたという。
なお問題を指摘された陳董事長は、「賭けは研修に含まれず、社員とのプライベートなもの」と説明している。

 しかし、陳董事長の示したガラス設置費用が異常に安いことから、見積書偽造の疑いも持ち上がっており、詐欺罪を構成する可能性も出ている。また董事長が社員に賭けを強要した場合、財産権の侵害に当たり、訴訟を起こせば負けた金を取り返すことも可能だと弁護士は指摘している。

 なお董事長は賭けに勝った金で社員をボーリングなどに連れて行ったそうだが、そこでも「負けた方が食事をおごるというのはどうだ」と持ち掛けたというから、よほどギャンブル好きな人物のようだ。