ニュース 社会 作成日:2015年6月2日_記事番号:T00057291
宜蘭県の人気温泉地、礁渓郷に「性交易専区」(いわゆる赤線地帯)を設置すべきとの提案が県議会議員からなされ、議論を呼んでいる。
「台湾で唯一の平地温泉」と呼ばれる礁渓温泉はかつて有数の「色街」として知られ、「礁渓へカモを捕まえに行く」と言えば買春を意味したという。
しかし台北と宜蘭を結ぶ雪山トンネルが本格的に開通した2007年以降、地元では「健全な観光地」へのイメージ転換を図る努力が進められた結果、現在では高級ホテルも相次いで進出。休日には大勢の旅行者が詰め掛ける人気観光地となった。
ただ、現地では性的なサービスを違法に提供するホテルなどの業者が依然、後を絶たないようで、地元警察によると「徳陽路」を中心に12件の業者がブラックリストに載せられている他、地元関係者は少なくとも30の業者が違法に営業を行っていると指摘している。ちなみに同地で売春に従事する女性は中国やベトナム出身者が多く、料金は30分2,000台湾元(約8,000円)ほど。ホテルなどに女性が出向き、サービスを提供する。
そんな中、礁渓出身の林成功県議はこのほど「この問題に向き合わないのは行政の怠慢だ。放置すれば性病のまん延などにより観光産業に影響が及ぶ」と県政府を批判。その上で「徳陽路を性交易専区に指定し、業者にライセンスを交付して集中管理すべき」との提案を行った。
しかしこの提案に対し、地元観光業界などからは、「性交易専区ができれば、家族連れや学生などの旅行者が減り、観光産業は大きな打撃を受ける」、「ようやく成し遂げたイメージ転換を台無しにする」などと反対の声が挙がっており、こうした意見が大半を占めているようだ。
また観光客や地元住民からも「性交易専区ができれば、男性が『礁渓に行く』と言うとあらぬ疑いをかけられる」、「暴力団同士の争いが起きる」などと懸念する声も上がっている。
林県議の提案に「性的サービス業従事者の健康、権利が保障される」などとして賛意を示す県議も一部には存在するものの、社会に風俗業に対する拒否感が根強い中、林聡賢宜蘭県長も「現時点で性交易専区を設置する計画はない」と語っている。
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