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息子のために窃盗、被害者が同情して雇用を提案


ニュース 社会 作成日:2015年6月4日_記事番号:T00057344

息子のために窃盗、被害者が同情して雇用を提案

 台中市でこのほど、貧しい男性が息子の誕生日にプレゼントを買う金がなかったことから、ある工場で盗みを働き、警察に逮捕されるという事件が発生した。しかし、被害に遭った工場の経営者は男の境遇に同情し、彼の罪を許したばかりか、「うちで働かないか」と提案し、これに感動した男が自分の行為を反省するという『レ・ミゼラブル』のようなストーリーが展開された。

 今回、盗みを働いた男はかつて会社の社長を務めていたが、2008年の世界金融危機の影響で経営が傾き、100万台湾元以上の負債を抱えて倒産。その後、借金返済のため、日雇い労働者として働いていた。妻とは離婚したものの、2人の子供とは離れたくないとの気持ちから現在も同居を続けている。

 そんな愛する子供のうち、小学生の長男(10)が間もなく誕生日を迎えようとしていた。男は長男が日ごろ、「友達はみんなトランスフォーマーのロボットを持っている」と話していたことを思い出し、それをプレゼントしてやりたいと考えた。

 ただ、日雇い労働者の収入は不安定で、1日3回の食事もままならない状況の中、プレゼント代を捻出することは難しい。そこで子供の願いをどうしてもかなえてやりたいと考えた男はとうとう盗みに手を染めることを決意。ある工場の外に置いてあった機械設備を盗み出し、近くのリサイクルセンターに3,300元で売った。

 しかし結局、彼の犯行は警察の捜査によって暴かれ、今月1日に窃盗罪で送検されてしまった。

 一方、窃盗被害に遭った工場の経営者は警察で事情説明を受けた際、犯人の境遇や犯行動機を知って同情し、被害額も小さかったことから「彼を許してやってほしい」と警察に申し出た上、自分の工場で旋盤工として雇用したいと提案。しかも月給4万元という待遇を用意した。

 これを聞いた犯人の男は感激しつつも、雇用の提案について「好意に甘えては申し訳ない」として丁重に断ったが、自分の行為を反省し、工場に足を運んで直接謝罪することを決めたのだった。