ニュース 鉄鋼・金属 作成日:2015年6月5日_記事番号:T00057395
米商務省は台湾が米国に不当に安い価格でめっき鋼を輸出している疑いがあるとして、ダンピング(不当廉売)調査を開始する。経済部国際貿易局(国貿局)が4日明かした。ダンピングと認定される可能性は高く、燁輝企業(YP)、盛餘(SYSCO、センユースチール)、裕鉄企業(PT)など約10社に最高84%の反ダンピング関税が適用され、年間250億台湾元(約1,000億円)に上る対米輸出に影響が出るとの懸念が浮上している。5日付経済日報が報じた。
国貿局によると、USスチールなど米鉄鋼6社が米商務省と米国際貿易委員会(ITC)に対し、台湾、中国、インド、イタリア、韓国が米国にめっき鋼をダンピング輸出していると申し立てた。また、台湾政府は産業支援措置22項目を通じてめっき鋼業者に補助金を出し、米国産業が被害を受けていると主張し、補助金支給の有無も調査するよう求めた。
燁輝、センユースチール、裕鉄の主管は「ダンピングと認定される可能性は高い」と口をそろえた。米国向け輸出量は全体の40%以上を占めるため、短期間で輸出先をその他の国・地域に分散することはできず、やむを得ない場合は減産すると表明した。
税関統計によると、台湾製亜鉛めっき鋼、アルミ・亜鉛合金めっき鋼、カラー鋼の昨年の対米輸出量は約65万トンで、総額194億元。これに電磁鋼板などの防食鋼材を加えると総額250億元に達する。
一方、めっき鋼メーカーに熱延製品を供給するメーカーにも間接的な被害が予想される。熱延主要サプライヤーの中国鋼鉄(CSC)、中鴻鋼鉄は年間65万〜70万トンの生産量に影響が出る見通しで、両社は輸出を強化して対応する方針だが、減産も検討している。
ITCは45日以内に米国業者への被害の有無を判断する。米商務省はダンピング・補助金調査の初期結果を年内に発表し、来年半ばに関税措置が最終決定する見通しだ。
応訴の準備を=CSC董事長
台湾鋼鉄工業同業公会(鋼鉄公会)理事長を務める鄒若斉CSC董事長は、今後数日間にめっき鋼メーカーなどと対策を練ると表明。応訴に向けて書類の準備を万全にすること、輸出先見直しを検討することが現時点で最も重要だと語った。
鄒董事長は、台湾製めっき鋼の米国市場シェアは7.7%と低くはなく、米国に需要がある証拠で、台湾製品を市場から長期間締め出すつもりはないはずだとの見方を示した。
また、台湾製めっき鋼に政府が補助金を出しているとの米鉄鋼企業の指摘について鄒董事長は、「いつ補助金をもらったのかわれわれすら知らない」と述べ、米国側に反論する考えを示した。この他、米国の輸入業者が台湾からの輸入価格を間違えて申告した可能性もあるとして、調査する意向を表明した。
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