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バナナボートから女子生徒転落、21時間後に奇跡の発見


ニュース 社会 作成日:2015年6月10日_記事番号:T00057457

バナナボートから女子生徒転落、21時間後に奇跡の発見

 新北市の海岸で8日、日没後にバナナボートに乗って遊んでいた女子生徒が誤って海に落ちて行方不明となり、救助隊が捜索したものの一向に見つからなかった。家族は最悪の事態も覚悟していたが、不明となってから21時間後の9日午後4時ごろ、周辺を航行していた漁船に発見され、奇跡的に生還を果たした。


張さんは救出直後、疲れ果てて話すこともできなかったが、船員からもらった飲料水と牛乳を一気に飲み干した(9日=中央社)

 台北海洋技術学院に通う女子生徒、張蕙而さん(17)は放課後に新北市三芝区の浅水湾の海岸にある喫茶店でアルバイトをしている。同店は海水浴客に水上バイクやバナナボート、サンドバギーのサービスも提供しており、張さんは8日夜7時ごろ、同僚や上司の男性3人と店のバナナボートに乗って遊んでいた。救命胴衣は身に付けていた。

 その時、突然大きな波がボートに押し寄せ、張さんは思わず手を離してしまい海に転落した。同僚たちは引き上げようとしたが、既に暗かったこともあって張さんの姿を見つけられず、消防隊に通報するほかなかった。

 その後、新北市消防局はボランティアや民間の救難要員を含む約100人体制の救助チームを編成し、10隻以上の救助船やヘリコプターを投入して捜索に当たったが、翌日の昼を過ぎても発見には至らず、海岸で捜索を見守る家族の不安は高まるばかりだった。

 そんな中、午後4時ごろ、張さんの友人の携帯電話に彼女から弱々しい声で「救助されたから家族に伝えてほしい」と連絡が入り、現場は歓声と涙に包まれた。

 救助された張さんによると、海に落ちた後、必死で岸に向かおうとしたものの潮の流れが強く、そのまま沖に流されてしまった。流されている間、救助船の明かりや上空を飛ぶヘリコプターを見かけ、大声で叫んだものの見つけてはもらえず、一時は希望を失いかけたそうだ。

 それでも「呼吸ができさえすれば希望はある」と考え、喉の渇きや眠気、日中の焼けつくような日差しに耐え、救命胴衣の浮力に身を任せて救助を待ち続けた。

 そして意識がもうろうとした状態で海上を漂っていた時、船のエンジン音が聞こえた。目を開けると近くを進む漁船が見え、彼女は最後のチャンスとばかりに大声を張り上げた。すると幸いにも船員が気付き、無事、船上に引き上げられた。

 今回は奇跡的に救助されたからよかったものの、夜間のバナナボートは条例で禁じられている。