ニュース 政治 作成日:2015年6月15日_記事番号:T00057561
与党国民党の総統選候補を決める予備選挙に唯一立候補していた洪秀柱同党副主席(67、立法院副院長)が14日、世論調査で支持率46%を獲得し公認資格を満たした。順調に行けば7月19日の党大会で公認候補に指名され、来年1月の総統選は蔡英文民進党主席と史上初めて女性候補同士で争われることになる。15日付聯合報などが報じた。
洪副主席は支持に感謝を述べつつ、自身と組む副総統候補について「省籍、性別で補完し合える若い人材が良い」と話した(中央社)
世論調査は予備選挙で候補者が1人だけの場合に行われ、支持率30%以上を獲得することが条件だ。洪副主席はアンケートを実施した3社平均で46%を獲得してこのラインをクリアした。国民党は17日の中央常務委員会で世論調査の結果を確認し、7月の党大会で指名の運びとなる。
洪副主席はスター政治家ではなく、予備選立候補の際も「大物の立候補を促す」ことを理由に挙げ、支持率は当初5%程度だった。しかし、朱立倫主席や王金平副主席(立法院長)、呉敦義第一副主席(副総統)ら有力者は結局誰もが立候補を見送った。こうした中、明確な政見を積極的に主張した洪副主席は支持層の人気を高めていった。台湾メディアは洪副主席が公認資格を得た過程について「時勢が英雄を生む」と評した。
朱主席が支持表明
洪副主席は中台関係について、「一つの中国、それぞれの解釈(一中各表)」から「両岸(中台)が共に中国全体の一部という解釈を表明する(一中同表)」に進むべきと主張しており、中華民国原則派に近い、国民党の政党カラー「青」の中でもいわゆる「深い青(深藍)」に属する。こうした傾向が中間層に嫌われ、総統選では不利に働くとの見方は根強い。王副主席支持のある本土派立法委員は「立法委員選挙には全くプラスにならず、悲惨なことになる」と嘆いた。
このため、果たして洪候補で最終決定するかの駆け引きが続くとの予想があり、実際に、党大会で王副主席支持の声を上げるとする支持派の声もある。
ただ、朱主席は「国民党は完全に民主化された政党になっており、制度の下で最後に決定した候補者を全力で支援する」と表明。世論調査結果の発表後、洪副主席と会談し、総統選の公約作成や事務室の提供など協力していくことで合意した。また、王氏支持派とされる党中央常務委員、江碩平氏も「本人が辞退しない限り、洪氏指名に変数はないだろう」との見方を示した。
洪副主席は、予備選で指名資格を得た正統性に加え、世論調査でも46%と予想以上に高い支持率を得た強みがある。仮にぎりぎりの30%程度であったならば、王氏支持派は「民進党支持者による意図的な支持表明が含まれた結果であり洪氏では厳しい」と指摘することもできたがそれは難しくなった。王副主席は自ら予備選を辞退しており、既に発言権は失われたと見方が出ている。
中間層に歩み寄りも
国民党は馬英九総統による親中路線があだとなり、昨年の統一地方選では空前の惨敗に見舞われた。このため、洪副主席が順当に総統候補になった場合、より中間層に近い方向に路線修正を行っていくとの観測もある。民進党寄りの自由時報は洪副主席が指名資格を得た一連の過程を評価しつつ、「今後その両岸(中台)路線を修正すれば爆発力は軽視できず、決して一般に言われるような簡単な相手ではない」と警戒感を示した。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722