ニュース 電子 作成日:2015年6月22日_記事番号:T00057669
パソコン大手ブランド、華碩電脳(ASUS)は第2四半期のスマートフォン出荷台数が500万台を超え、ノートPC出荷台数を初めて上回る見通しだ。高コストパフォーマンスの「ZenFone」シリーズが市場に評価されている。アップルを除くスマホブランドが赤字に苦しむ中、ASUSは5月にスマホ事業で黒字転換を果たしており、通年黒字化も視野に入った。22日付蘋果日報などが報じた。
ASUSは今年3月に発売した「ZenFone2」が、6月に200万台以上の出荷を記録する見通しだ。インテルのCPU(中央演算処理装置)搭載で4GB(ギガバイト)メモリーのハイエンド機種が人気のため、台湾で18日、内蔵メモリー(RAM)4GB、ストレージ容量128GBの超ハイスペック機種を追加投入したところだ。このほか、中国では大規模なキャンペーンを実施。北米では通販サイト、アマゾンのSIMロックフリーのスマホ売れ筋ランキングで、アマゾンの「ファイアフォン」に次ぐ2位を獲得した。
海外での販売好調により、ASUSは第2四半期のスマホ出荷台数が社内目標の480万台を上回り、四半期として過去最高の500万台以上となる見通しだ。ただ、スマホは平均単価がノートPCより低いため、ブランド売上高は前期の1,021億台湾元(約4,080億円)を下回る恐れがある。一方、第3四半期はノートPC出荷が500万台以上と前期比2桁増が見込まれるが、スマホはそれ以上に成長して差を広げる見通しだ。
沈振来(ジェリー・シェン)執行長は、「ZenFone」の売上構成比は第2四半期に15〜20%まで拡大し、第3四半期は20〜25%、第4四半期は30%以上に達するとの予測を示した。
証券会社は、ASUSのスマホは第2四半期に粗利益率が15%を超え、7億5,000万元〜10億元の利益を狙えるとみている。
ネット通販が貢献
市場調査会社によると、アップルは昨年発売したiPhone6シリーズが過去最高の出荷台数を誇り、スマホ市場全体の利益の9割を占めており、サムスン電子までもが苦汁をなめている。
こうした中、ASUSは出荷台数では世界10位圏外ながら、ノートPC、タブレット端末、マザーボードまで幅広く手掛けることによる部品調達コストの抑制能力に加え、小米科技(小米、シャオミ)に倣い、昨年3月に設立した「ASUSデジタルワールドインターナショナル(ADI)」によるネット直販で、在庫を減らして販売コストを抑制し、黒字転換に成功した。月150万台を出荷できれば利益が出るため、今年の出荷目標1,700万〜2,500万台を達成すれば、通年黒字はほぼ確実だ。ASUSは、スマホ事業が今後3年にわたり業績のけん引役を担うと見込む。
苦節10年、3度目の正直
ASUSは10年以上前にスマホ市場に参入し、2009年からGPS(全地球測位システム)最大手のガーミンと「Garmin−ASUS」ブランドを立ち上げたが売れ行き不調で翌年に提携を解消、12年にはタブレット端末にもなる「PadFone」シリーズを打ち出したが伸びなかった。そんな中、昨年発売した初代「ZenFone」は低価格ながら高い性能が消費者に評価され、通年で850万台を出荷した。研究開発(R&D)とマーケティングの積み重ねが一気に花開いた格好だ。
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