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遠東百貨のシティーSC、台北・竹北・高雄に出店へ


ニュース 商業・サービス 作成日:2015年6月23日_記事番号:T00057701

遠東百貨のシティーSC、台北・竹北・高雄に出店へ

 遠東百貨(ファーイースタン・デパートメント・ストアズ)の徐旭東(ダグラス・シュー)董事長は22日、2017〜18年に業績好調な傘下「シティー」系列のショッピングセンター(SC)を台北市、新竹県竹北市、高雄市に新たに1店ずつ出店すると発表した。3店合計で遠東百貨の店舗面積を7万坪(31%)増やし、シェア拡大を狙う。23日付蘋果日報などが報じた。

 徐董事長は、板橋大遠百(メガシティー、新北市)、台中大遠百(トップシティー)、遠東巨城購物中心(ビッグシティー、新竹市)の3店は快適な店舗環境づくりを進めた結果、客足が伸び、軒並み黒字化したと説明した。遠東百貨の昨年売上高は423億台湾元(約1,700億円)で前年比6.7%増加した。特にメガシティー、トップシティーの好調が業績を押し上げた。 

 遠東百貨は今年、竹北市で敷地面積6,000坪余りのBOT(建設・運営・譲渡)開発計画を落札しており、SCを建設できる見通しだ。徐董事長は「当社は優先開発権を取得しており、進捗(しんちょく)は順調だ」と述べた。

既存店をオムニチャネル化

 遠東百貨の台湾既存店舗については、電子商取引(EC)による侵食を受けていることから、今年は「電子化」と「モバイル化」を加速させ、顧客があらゆる販路から商品を購入できるようネットと実店舗を融合させた「オムニチャネル化」を目指す。

 徐董事長は、遠東百貨は今後、無料対話アプリ「LINE(ライン)」やフェイスブックなどの交流サイトを活用して、消費者が商品の評価や口コミ情報を検索できるようにし、ニーズに合った買い物を実現すると強調。さらにビッグデータやモバイル決済技術の応用を通じて、多様な商品受け取り方式を提供することで、ネットと実店舗の融合を実現し、ショッピングの利便性をさらに高めると語った。

中国展開は慎重姿勢

 遠東百貨の中国事業について徐董事長は、「ここ2年は成長スピードが鈍化したが、今後も成長し続けなければならない」と述べ、台湾での「シティー」系列SCの成功例を中国に移植する方針を明らかにした。ただ、中国では百貨店業界を取り巻く環境が厳しさを増しており、徐董事長はむやみな攻勢は避け、慎重に事業を展開する考えを示した。


徐董事長(右2)は中国事業について、「中国人の所得が向上し、都市化がさらに進めば、人口13億人の需要は巨大だ」と依然期待感を示した(22日=中央社)

 徐董事長は、中国では「ぜいたく禁止令」により百貨店での高額商品の業績が3〜4割減少したと指摘。また、中国には現在SCが全国2,200店以上あり、さらに1,800〜2,000店が今後オープン見通しで、成長スピードが速過ぎる中国での小売業経営はたやすくないと話した。

 遠東百貨の中国事業は業績全体の13%を占めるが、今年3月に天津市の天津遠東百貨が施設オーナーの破産危機から営業停止を余儀なくされた。徐董事長は「中国では現在、赤字店舗の整理・閉鎖を進めている。例えば遼寧省の大連連太百貨は、従来型百貨店から小型SCへの転換を目指す方針だ」と語った。

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