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八仙楽園の爆発事故、今なお200人が集中治療室に


ニュース 社会 作成日:2015年6月30日_記事番号:T00057816

八仙楽園の爆発事故、今なお200人が集中治療室に

 新北市八里区のウオーターパーク、八仙水上楽園で27日夜、カラーパウダーを使ったイベント中に起きた粉じん爆発事故で負傷した499人のうち、20歳の女性1人が死亡した他、現在も400人近くが病院で治療を受けている。そのうち約200人が集中治療室にとどまり、予断を許さない状況となっており、家族や友人たちが悲痛な祈りを続けている。


李珮筠さんを亡くした母親(左2)は、息子まで失いたくないと悲痛な声を上げた(29日=中央社)

 今回の事故で亡くなった台中市の李珮筠さん(20)は、先ごろ職業学校を卒業したばかりで、同時期に小学校を卒業した仲の良い弟の李竣毅くん(12)と2人でお祝いをしようとイベントに参加して悲劇に見舞われた。

 珮筠さんの家族によると、彼女は爆発により体の90%にやけどを負ったものの、台中市の中山医学大学附設医院に運び込まれた際には意識がはっきりしており、弟のけがの状態を心配していたという。彼女は自分がイベントに連れ出さなければ弟がけがをすることはなかったと自責の念を抱いていたそうだ。

 その後、珮筠さんの容態は急激に悪化、回復の見込みがなくなったとして家族が生命維持装置の取り外しに同意。帰らぬ人となった。なお竣毅くんも体の90%にやけどを負い、台北栄民総医院で専門チームが治療に当たっている。

 また今回の事故で被害に遭った1人、陳宛萱さん(18)は、将来モデルとして活躍することを夢見て職業学校のモデル科に通う女子学生だ。恵まれたスタイルを持つ彼女は以前、学生モデルコンテストで優勝。既にモデル事務所から契約を持ち掛けられていたという。

 しかし爆発により顔を含め全身の72%にやけどを負っており、事故を知って駆け付けた恋人に「私はこれからどうすればいいの」と大声を上げて泣いたという。彼女も現在、集中治療室で治療を受けており、危険な状況を脱していない。

 この他、いとこ3人とイベントに参加した男性、呉声宏さん(25)は、運良く爆発から逃れたものの、避難する際に幼い子供2人が火に囲まれているのを目にして救助に向かい、両足を中心に全身の62%にやけどを負った。「幼い子供には長い人生が待っているから」と話す声宏さんに、姉は「あなたもじゃないの?」と声を詰まらせた。

 声宏さんは現在、衛生福利部桃園医院の集中治療室に収容されており、看護師たちは「彼は英雄だ。報われてほしい」と話すが、手術を行った医師は「今後数日がヤマだ」と語っている。