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全身9割やけどの大学生、奇跡の回復


ニュース 社会 作成日:2015年7月2日_記事番号:T00057891

全身9割やけどの大学生、奇跡の回復

 新北市八里区のウオーターパーク、八仙水上楽園で起きた粉じん爆発事故に巻き込まれた男子大学生が、全身の9割にやけどを負い、生存が絶望視されながら、自力で呼吸できるまでに回復した。治療に当たった医師からは「奇跡だ」との声が上がっている。


呂さんの友人らが励ましのポスターを制作し、早期回復を願った(1日=中央社) 

 桃園市の万能科技大学・餐飲管理系に通う男子学生、呂意銘さん(20)は先月27日、同級生と共に八仙楽園のイベントに参加し、不幸にも事故に遭遇した。当時、彼は海水パンツ1枚の姿でメーンステージの前に立っていたそうだ。

 事故後、呂さんは直ちに桃園市の聖保禄医院に搬送され、翌日、台中市の中国医薬大学附設医院に移された。しかし、彼は海水パンツ以外の露出部分である全身の約90%にやけどを負った他、煙を吸い込んだことで肺も深刻な損傷を受けており、ショック状態から意識不明に陥っていた。

 台北市立聯合医院の劉文勝医師によると、全身の9割にやけどを負い、かつ肺に損傷を受けた場合の死亡率は101.6%に上るが、呂さんが運ばれた病院の医師が「必ず生きろ」と呼び掛けながら懸命の治療を続けた結果、29日には意識を回復、ジェスチャーでコミュニケーションが取れるようになった上、30日には人工呼吸器を外して自力で呼吸、簡単な言葉も話せるようになった。

 奇跡的な回復を見せたことに担当医師は「若くて体力があったこと、および生への強い意志が彼の命を救った」と語っている。

 一方できょう2日早朝、爆発被害者の1人、劉致葦さん(19)が収容先の病院で亡くなり、事故で2人目の死亡者となった。

 劉さんは台北海洋技術学院に通うデザイナーの卵で、今年5月に韓国で開かれたコンテストの花嫁用化粧部門で金賞を獲得するなど将来が有望視されていた。彼が大好きだったという人気歌手、蔡依林(ジョリン・ツァイ)が、家族の求めに応じて滞在先の海外から送った録音メッセージが病室に流されたものの、全身の95%というやけどには勝てず、帰らぬ人となった。

 事故から5日が経過し、呂さんのように奇跡的な回復を見せるケースもあるものの、状態が悪化する例も相次いでおり、集中治療室で治療を受けている患者は事故直後の100人余りから1日時点で287人に増えている。