ニュース 社会 作成日:2015年7月3日_記事番号:T00057899
台北市・新北市を流れる基隆河および淡水河を走る水上バス「藍色公路」は2004年の運行開始から現在まで、埠頭(ふとう)設備の整備や河川の浚渫(しゅんせつ)に10億台湾元以上の経費を投じながら利用者が少なく、運営業者は毎年赤字に苦しんでおり、失敗した事業との批判が浮かんでいる。
自由時報によると、藍色公路には馬英九、郝龍斌の両市長時代、埠頭建設や河岸公園などのインフラ整備に10億元近い経費が投じられた他、航路となっている河川では干潮やダムからの放流の影響で土砂が堆積するため、これまで浚渫(しゅんせつ)作業に2億5,000万元の費用がかかっている。
なお藍色公路の利用者数は、台北国際花卉(かき)博覧会(花博)が開催された2010年、11年に大規模な宣伝費を投じたことでそれぞれ年間延べ14万5,741人、29万1,818人を記録したが、翌12年には一挙に5万8,633人へと落ち込み、その後も8万人余りで推移している。
しかも8万人の約7割が市政府の補助を受けた学校の課外授業での利用で、観光客の利用はわずかばかりとなっている上、一般の乗客からは「景観が乏しい」などと不満の声が頻繁に出ている。こうした中、藍色公路を運航する6業者の経営は苦しく、既に1社が撤退した。
なお新北市政府は12年、淡水河岸に忠孝埠頭(三重区)と華江埠頭(板橋区)を建設し、藍色公路の運航を開始したが、運航スケジュールが干潮の影響で毎日変わる不便さがあり、現在1便当たりの乗客は10人以下、時にはまったく客がいないこともあるという。
台北市や新北市は今後、広報活動の強化や電動式の新型船投入、干潮の影響を受けない小型船の導入といった対策を講じる計画だ。
しかし自由時報は、インフラ整備や浚渫のための費用があれば、河川沿いのサイクリングロードの補修や街路灯整備、子供用の遊具設置など、より市民の需要に沿った使い道が開けると指摘し、柯文哲現台北市長に対し「藍色公路の存廃を徹底的に議論する時が来ている」と提言した。
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