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台中BRT、1年足らずで歴史に幕


ニュース 社会 作成日:2015年7月8日_記事番号:T00057975

台中BRT、1年足らずで歴史に幕

 台中市のバス高速輸送システム(BRT)藍線(台湾鉄路・台中駅〜静宜大学、17.2キロメートル)が7日を最後に運行を停止し、昨年7月の開業からわずか1年足らずで歴史に幕を閉じることとなった。


元BRTバスは路線バス「300号」として運行を開始し、ダイヤの変更に戸惑う乗客も見られた(8日=中央社)

 台中BRTは市内の交通渋滞緩和を目的として導入され、胡志強前市長(国民党)時代の昨年7月27日に藍線の営業運行を開始した。全長18メートル、最大120人乗りの連結バスが専用レーンを走行する方式で、プラットホーム付きの専用のバス停が設置された。

 将来的には市内全29区に路線網を拡大する計画だったが、昨年末の市長選挙で胡氏が敗れ、民進党の林佳龍氏が当選。林氏は当選直後からBRT敷設計画のずさんさを指摘し、開業後に沿線で渋滞や事故率の上昇が見られるとして、運行体制の見直しが必要との認識を示していた。

 そして林市長は就任後の今年3月にBRTの廃止を決め、7月8日から一般路線バスの専用レーンに変更すると発表した。

 20億台湾元以上の資金を投じて建設したBRTが1年足らずで廃止となったことについて胡前市長は「開業から現在までどの便も利用者であふれており、1日当たりの乗客数は5万人を超えている」と強調し、「なくなるのは惜しい」と無念をにじませた。ただ、台中BRTは開業から1年間をICカード利用で運賃無料としており、これが利用を促している側面もある。

 なお7日午後11時発の最終便を見送ろうと、学生など一部の市民が始発バス停の台中駅に集まってイベントを開催。中には「廃止を決めた市政府への静かな抗議だ」と語る者もあった。

 元BRT専用レーンにはきょう8日から路線バス9路線が乗り入れた。ピーク時の混雑が懸念されているが、台中市交通局の王義川局長は「コンピューターでシミュレーションを行い、一部区間で信号の秒数を調整するなど対策を講じる」と説明した。