ニュース 社会 作成日:2015年7月10日_記事番号:T00058029
連日多くの観光客でにぎわう国立故宮博物院で9日午後、大規模な停電が発生し、電力供給が全面的にストップした。すぐに予備電源に切り替えられ、展示室および資料保管庫への電力供給は回復したものの、玄関ロビーの照明および空調は3時間停止したままとなり、参観客は薄暗い中、汗をにじませながら見学することとなった。
台北市に故宮博物院が設立された50年で最も深刻な停電だった(9日=中央社)
停電は付近の道路の街路樹が強風にあおられて倒れ、電線が圧迫された影響で変電ボックスが爆発したことで起きた。同博物院の他、周辺住宅約200戸も同様に停電となった。
故宮博物院では院内の照明と空調が全て使用不能となり、スタッフが参観客を施設の外に一時避難させた。5〜10分後には予備電源に切り替えられ、所蔵文物と施設の安全を確認した上で再び開放した。
しかし故宮博物院の予備電源は展示室と資料の保管施設にのみ供給される設計のため、玄関ロビーは照明が消え、冷房が効かない蒸し風呂状態となり、参観客から不満の声が上がった。
ある旅行ツアーガイドは「世界4大博物館の故宮でこんなに長く停電が続くとは何事か」と批判した。
これを受けて故宮博物院の何伝馨副院長は同日午後の入場料を無料とし、チケット料金の返金にも応じると表明。100人余りが返金を受けた。
なお数分間とはいえ、空調が途絶えたことによる貴重な所蔵物への影響が懸念されたが、博物院側は「全ての所蔵物は気温22度、湿度55%の環境で、密閉空間の中に保管されているため、短時間の停電でダメージを受けることはない」と強調した。
ただ、専門家は「セキュリティーに穴ができ、盗難されるリスクが高まる」と指摘しており、まず無くなっている所蔵物がないか確認する必要がありそうだ。
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