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台湾初の家庭用ロボット年内発売へ、介護需要に照準


ニュース 機械 作成日:2015年7月14日_記事番号:T00058111

台湾初の家庭用ロボット年内発売へ、介護需要に照準

 台湾初の家庭用ロボットが早ければ今年末に発売される。警備サービス大手の新光保全(SKS)がこのほど10台を試験販売した、家族の見守りができる小型ロボット「6S」に、通話や服薬支援などの機能を追加して年末にも1,000台を量産、約5,000台湾元(約2万円)で発売する予定だ。業界関係者は、スマートフォンに続く新商機になると期待感を示した。14日付蘋果日報などが報じた。


新光保全は「6S」はかわいいデザインで見張られている感じを与えず、高齢者や子どもの見守りに最適と説明した(同社リリースより)

 新光保全の「6S」は身長15センチメートル、体重100グラム。タブレット端末やスマホで遠隔操作できる。現在は自宅や家族の様子をモニターできるのみだが、年末の発売時には一酸化炭素(CO)濃度を測定してスマホに通知したり、自宅にいる高齢者が「6S」を通じて遠隔地の相手と会話できる機能を追加する考えだ。

 鄒国民・新光保全企画室協理は、「6S」販売価格は約5,000元で、まず同社の営業チャネルを通じて販売すると説明した。高齢者がロボットに子供への電話を指示するなど、今後は介護支援機能を充実させたいと語った。

ペッパーが火付け役に

 鴻海精密工業が製造するソフトバンクの世界初の感情認識パーソナルロボット、Pepper(ペッパー)は先月、初回生産1,000台が1分間で売り切れた。本体価格19万8,000円。当面、台湾での販売計画はない。

 新金宝集団(キンポグループ)の金宝電子工業(キンポ・エレクトロニクス)も先月、今年第4四半期に家庭用ロボットを1,000米ドル以下で発売する計画を示している。

 経済部標準検験局(BSMI)は今年3月、少子高齢化に伴い複数の企業が家庭用介護ロボットの研究開発(R&D)に着手しているとして、人を傷つけない、人にぶつかりそうになったら自動停止するなど家庭用ロボットの国家安全標準を制定した。

価格とプライバシー、普及の鍵に

 財団法人精密機械研究発展中心・機器人智動化発展処の蘇冠同エンジニアは、日米などの家庭用ロボットは主に、娯楽、教育、見守りなどの機能を持つ小型ロボットと、寝返りなど体位変換や移乗を支援する介護支援ロボットがあると指摘。台湾でも5〜10年以内に、理化学研究所が開発したROBEAR(ロベア)のような介護支援ロボットが10万元以下で発売されると予測した。ロベアは台湾元換算で500万〜700万元。

 ある開発メーカーは、将来2人で1人の高齢者を支える社会が到来し、家庭用ロボットが世界のトレンドとなることは間違いないが、庶民の手が出る価格でなければ、生活習慣は変わらないと指摘した。

 ある70歳の男性は、ロボットは話し相手にならないし、見張られている気がする上、子どもと過ごす時間も減ってしまうと話した。