ニュース 電子 作成日:2015年7月15日_記事番号:T00058138
中国でスマートフォンの需要が弱まり、在庫が積み上がる中、ファウンドリー世界最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は業界に先駆けて、28/20ナノメートル製造プロセスで5〜10%の値下げを実施し、クアルコムと聯発科技(メディアテック)からの受注を固めたもようだ。TSMCは第2四半期に28ナノプロセスの稼働率が70%、20ナノは一時60%まで下落したが、値引きが奏功してそれぞれ80%以上を回復したとみられる。15日付電子時報が報じた。
世界のスマホ需要は減少しており、ハイエンド市場が飽和状態になっている他、ミドル〜ローエンド市場でも代表的な中国のスマホ大手、小米科技(小米、シャオミ)の上半期出荷台数が3,500万台に届かなかった。また、聯想集団(レノボ)の第1四半期販売台数は1,800万台余りで、通年目標を従来の1億台から大幅に下方修正すると予想されている。
半導体業界関係者によると、中国でのスマホ需要不振でチップメーカーは大打撃を受け、市場では最近、クアルコムとメディアテックが相次いでファウンドリーへの発注を大幅に削減したとの観測が浮上した。このため聯華電子(UMC)とグローバルファウンドリーズ(GF)の28ナノプロセス受注がまず影響を受け、特にスマホ用ベースバンドチップが絞られたという。
市場では第2四半期、UMCが28ナノプロセスで生産したチップがクアルコムの認証をパスしなかったとの観測も浮上。クアルコムが認証基準を厳格化したためで、UMC生産のチップに深刻な問題があったわけではないようだが、業界関係者は当時、景気悪化を受け発注を減らしたかったクアルコムの奇手とみた。
一方、同じく景気の急下降を実感していたTSMCは、大口顧客向けに値下げ戦略を打ち出したことで、第2四半期の売上目標を無事達成できたとされる。
TSMCの景気見通しに注目
今年は半導体業界にとって厳しい1年だと関係者は語った。需要期の第3四半期に需要が見込めず、企業は同期に1桁でも増収となれば御の字だと指摘した。
TSMCは張忠謀(モリス・チャン)董事長があす16日の業績説明会で下半期の景気見通しを示すとみられるが、業界関係者は、TSMCも第3四半期の需要不振を避けられず、同期売上高は前期比微増にとどまると予想。ただ、第4四半期には大幅増収を回復するとみている。
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