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野球プレミア12、台湾選手会が参加拒否


ニュース 社会 作成日:2015年7月16日_記事番号:T00058145

野球プレミア12、台湾選手会が参加拒否

 世界野球ランキング上位12カ国・地域の代表チームが世界一をかけて対戦する「プレミア12」の11月開催を控え、台湾プロ野球リーグ中華職棒大聯盟(CPBL)の選手会は先ごろ、台湾代表としての試合および練習中のけがなどに対する保障を訴えてきたが、CPBLや中華民国棒球協会(CTBA)、教育部体育署から満足な回答が得られていないとして、現時点でプレミア12への参加を拒否すると表明した。


呉志揚CPBL会長(左2)は選手会の参加拒否声明に対し「選手会との意思疎通が足りなかった。われわれは常に選手たちの味方だ」などとする声明を出した(CPBLリリースより)

 選手会の声明によると、昨年韓国の仁川で開かれたアジア大会にプロ野球選手が召集された際、選手会は試合および練習中のけがに対する保障の他、▽国際大会参加のための準備や会議に選手会の代表を出席させる▽大会期間中の代表選手に関する権利問題は選手会を通じて処理する▽代表チーム関連事業の収益を公開し、選手に直接ないし間接的に関わるものについては選手個人または選手会に分配する──の4つの訴えを提出した。

 しかし現在、既にプレミア12に向けた台湾代表のチームづくりが始まっているにもかかわらず、訴えに対する回答が得られなかったばかりか、選手の権利を保護する立場にあるCPBLは、代表への参加は「招待」ではなく「(兵役と同じ)徴集」だと指摘。さらに教育部に「出場費」を請求すると説明し、まるで選手会の訴えが金銭目的であるかのような認識を示した。これに不満を抱いた選手会は、尊厳を守るためとしてプレミア12への参加拒否を決めたのだった。

 しかし、選手会の声明を受けてCTBAの林宗成秘書長は「最近の若者は国の威信のために戦うことを軽視している」と発言。これに対し「国の威信を重視するなら選手に相当の金を支払うべき」、「協会はいつも若者に自腹を切れと言う」などと批判が殺到した。

 また「代表の試合でけがをして大リーグで活躍する夢を断念した選手が数多くいる。代表戦でのけがに対し、十分な保障を行うべき」と指摘する声も上がっており、選手からも日本や韓国と同等の保障制度を台湾代表チームにも設けるべきとの意見が示されている。

 現時点で選手会の「プレミア12参加拒否」は暫定的なものとしている。せっかく台湾で開催される国際大会に「真の台湾代表」が参加しないとなれば非常に残念だ。野球界を挙げて解決の道を模索してもらいたいものだ。