ニュース 社会 作成日:2015年7月22日_記事番号:T00058250
20日夜に台北都市交通システム(MRT)中山駅で起きた通り魔事件で、刃物を持った犯人の男を取り押さえる際、そのナイフを蹴飛ばして協力した勇気ある男性に称賛の声が集まっている。
MRT中山駅では、プラットホームに警察官が立って警戒の目を光らせた(21日=YSN)
犯人の郭彦君容疑者(27)は事件当時、中山駅構内のエスカレーターを降りながら男性1人、女性3人の背中や肩などを切り付け、けがを負わせた後、さらに階下で凶行に及ぼうとしたが、駆け付けた駅長と警備員の2人に取り囲まれた。
そして駅長らが「ナイフを置け」と説得を試み、犯人がこれに応じて凶器を床に置いた瞬間、近くにいた一般人男性が素早くそのナイフを蹴飛ばし、警備員が男に飛び掛かって取り押さえることに成功した。その後、犯人は警察の手に引き渡されたが、逮捕に協力した男性はいつの間にか姿を消していた。
この場面を映し出した防犯カメラの映像がテレビなどのニュース映像として放送されると、インターネット上でその勇敢な行動を称賛する声が相次ぎ、「あれは誰だ」と話題となった。
そんな中、この男性が自分の友人だと気付いた人物が男性のフェイスブックページに事件に関するコメントを書き込んだところ、男性は最初否定したものの、友人が新聞の切り抜きを見せてようやく、「ナイフを奪い取ったわけじゃない。ちょっと足を出しただけだ」と謙遜して自分の行為を認めた。
この男性は大手旅行会社に勤める劉俊徳さん(32)で、事件当時、警備員に協力しようと手頃な武器を探したが見つからず、「最悪でもけがする程度で済む」と考えて素手で犯人に立ち向かうことにしたという。称賛の声に対しては「当然のことをしただけ」と語ったが、事件当時、周囲には大勢の市民がいたが、カメラで写真や動画を撮るだけで協力しようしなかったことには「違和感を感じた」と話した。
なお郭容疑者は警察の取り調べに対し、犯行理由について「気を晴らしたかっただけ」などと答えており、その態度に反省や後悔の色は見られないようだ。
また事件を受けて警察は21日、7〜8人の警察官に中山駅の警備に当たらせた他、台北MRT駅のうち比較的利用者の多い25駅に1人ずつ警察官を配置、さらに▽台北駅▽忠孝復興駅▽西門駅▽江子翠駅▽市政府駅▽東門駅──の6駅を重点巡回駅に指定するなど警備体制を強化している。
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