工業技術研究院（工研院）産業経済趨勢研究センター（ＩＥＫ）は22日、製造業の2015年生産額予測を前年比0.86％増の19兆1,500億台湾元（約76兆円）に下方修正した。成長率は従来予測から1.31ポイントもの引き下げだ。23日付工商時報などが報じた。
ＩＥＫは今年は大幅な減速がほぼ確実と指摘した（22日＝中央社）
ＩＥＫは、世界景気の回復鈍化、中国の「紅色供給網（レッドサプライチェーン）」台頭による台湾の輸出不振、および原油価格と原材料価格の低迷を理由に挙げた。
産業別の予測では、化学工業は前年比4.2％減の５兆1,500億元へと、従来の0.8％増からマイナス成長に転じた。ＩＥＫは、生産額の７割を占める石油・石炭製品および化学材料業界で、原油価格低迷の影響が続いているためと説明した。
この他、▽金属機電産業、５兆2,600億元（前年比1.5％増）▽情報電子産業、６兆2,900億元（4.38％増）▽民生工業、２兆4,500億元（1.95％増）──へと軒並み下方修正した。
ＩＥＫは、製造業の今年の成長が鈍化する確率は54.5％と、前期より16ポイント引き上げた。ギリシャ債務危機や中国経済の減速などの国際情勢が改善しない限り、台湾の製造業生産額予測をさらに下方修正する可能性がある。
