ニュース 社会 作成日:2015年7月28日_記事番号:T00058359
台中清泉崗空港できのう(27日)早朝に大規模な停電が発生し、その影響で出境審査用のコンピューターがダウンした。手作業で出境審査を行う事態となったことから、この間にベトナム籍の指名手配犯が通過に成功。電力供給が回復して気付いた時には既に彼の乗った飛行機は滑走路で離陸態勢に入っており、逃亡を許してしまった。
台中空港では同日午前5時50分、変電ボックスの故障を原因として施設内の大部分が停電となった。これを受けて同空港ではただちに予備電力システムを始動させたが、出境審査を受け持つ移民署・台中国境隊の事務所では回路の故障により電力供給が回復しなかった。
そこで同事務所では備え付けの無停電電源装置(UPS)を始動させたが、同装置は30分間しか電力を供給できないため、データの消失を懸念して6時18分にはコンピューターをシャットダウン。人力での出境審査に切り替えた。
その後、台中国境隊は5カ所のカウンターを全て使用し、係員が手元の紙資料と旅客のパスポートを照合して審査を進めた。しかし午前7時に正常な電力供給が回復した後、停電期間中に審査を通過した87人の情報をコンピュータで照会したところ、その中に詐欺罪で指名手配されているベトナム人の男が含まれていることが発覚した。
台中国境隊は男が搭乗した華信航空(マンダリン航空)の7時30分発ハノイ行き便に連絡を取ろうとしたものの、停電により事務所の電話とファクスが故障しており、何とか連絡が取れたのは同機が7時40分に離陸した10分後のことだった。なお、慌てていたため携帯電話の使用は失念していたという。
今回、台湾からの脱出に成功したベトナム人の男は33歳で、2007年に労働者として入境した後、09年に滞在期間が過ぎた後も不法滞在を続け、10年に詐欺に関わったとして桃園地方検察署に指名手配されていた。移民署ではベトナム当局に協力を求めているが、関係者によると詐欺のような比較的軽い犯罪の容疑者については特別な事情がない限り、引き渡しを受けることは難しいという。
なお台中空港で今回のような大規模停電が発生したのは4年前の供用開始以来初めてで、内部に協力者がいる可能性も指摘されているが、空港側は「単なる偶然」と説明した。
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