統一企業(ユニプレジデント)は、傘下の統一企業中国控股(統一中国)と統一国際開発を通じて、旺旺控股に計5,000万米ドル、約4%の出資を行うことを決めた。中国食品市場で、主力商品が重なる最大手・康師傅を追撃する上で、得意分野の異なる旺旺との戦略的提携はメリットが大きいと判断したとみられる。中台食品市場に大きな影響力を持つ両グループの提携に、業界の注目が集まる。3日付工商時報が報じた。
統一企業中国控股は2日香港で、3,000万米ドルを投じて旺旺控股の主要親会社、ホットキッド控股から旺旺控股の株式4%を取得すると発表した。統一企業はまた、同社が50%以上を出資する統一国際開発を通じ、今月25日に香港株式市場に上場する予定の旺旺控股に対し、2,000万米ドルを出資して共同で出資者となることも決めた。
提携に高い相乗効果を期待
統一企業の幹部は、「統一は食品と飲料を中国市場での核心としており、旺旺の米菓、原料、流通との結合は、極めて相乗効果が高い」と語り、中国での発展をにらみ、早くから戦略的提携パートナーを探していた統一の思惑に合致したとの見解を示した。
今回の提携には、中国市場でインスタントラーメンと飲料のシェアがそれぞれ45%を占める台湾系で最大手の康師傅に迫りたいという思惑があるようだ。
特定の品目に集中して上下流の垂直統合を進め、規模を拡大する康師傅に対し、統一は食品市場全体に手を広げることにより、一つの商品項目が失敗したとしても全体でショックを緩和する戦略をとる。また、旺旺も米菓生産を始めた康師傅に警戒感を抱いており、今回の提携は、統一が旺旺パートナーに引き込んで康師傅への攻撃を開始したという見方が強く、食品業界で注目の話題となっている。
利益成長、継続へ
クレディ・スイス証券の葉昌明アナリストによると、香港市場の上場以来、外資による評価が大きく上昇している統一中国は、2006年と07年が共に好業績で、今年と来年の利益成長率も37~63%を維持する見通し。葉氏はまた、台湾政府が中国に対する投資制限を緩和すれば、ブランド力を持ち、柔軟な経営が可能な統一にとって利は大きいとしている。