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作成日:2008年3月4日_記事番号:T00005847
遠東航空、金門酒廠が買収を検討
金門島の高粱(こうりゃん)酒メーカー、金門酒廠の雷倩董事長(前立法委員)は3日、経営危機に直面している遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)の株式を最大51%を取得する方向で検討していることを明らかにした。4日付工商時報などが伝えた。
雷董事長は遠東航空の林宝漳董事長を訪ね、同社の経営に参入する方針を伝えた。金門酒廠は遠東航空の財務諸表が整った時点で、遠東航空の救済に乗り出し、金門島を拠点とする航空会社として再生を目指す。
雷董事長は今年1月の立法委員選に新党から出馬したが落選。李炷烽・金門県長(新党)の招きで、金門酒廠董事長に就任していた。
金門酒廠は金門県政府の傘下にあり、財政難の同県政府に毎年40億~50億台湾元(約134億~167億4,000万円)の利益をもたらす優良企業。現在50億元の手持ち現金があり、遠東航空の買収に向けた資金は潤沢だ。
同社の王毅民総経理は、「航空会社の買収を1年以上にわたり検討してきた。計画は県政府、取締役会から全面的な支持を得ている」とした。同社にとって、遠東航空の経営危機は「渡りに船」だった格好だ。
雷董事長は遠東航空への出資比率について、25%、33%、51%という三つの案を検討しており、遠東集団やマレーシア資本との共同出資も視野に入れている。