ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

Q2成長率0.64%、「台湾経済衰退の危機」【図】


ニュース その他分野 作成日:2015年8月3日_記事番号:T00058472

Q2成長率0.64%、「台湾経済衰退の危機」【図】

 行政院主計総処が31日発表した第2四半期の域内総生産(GDP)成長率が前年同期比0.64%と過去12四半期で最低だったことを受け、中華経済研究院の呉中書院長は台湾経済は「瀬戸際に立たされている」と指摘した。今年5月時点で主計総処の予測値は3.05%、シンクタンクも軒並み2%以上の予測だった。1日付経済日報などが報じた。


今年3%成長できるかについて鄧振中経済部長は31日、慎重に対応し、努力を続けると語った(31日=中央社)

 金融監督管理委員会(金管会)の曽銘宗主任委員は驚きを表明、国家発展委員会(国発会)の高仙桂副主任委員も「1〜2%だと思っていた」と語り、両者は通年の経済成長率3%台は困難との見方で一致した。中華民国全国工業総会(工総、CNFI)の蔡練生秘書長と中華民国全国商業総会(商総)の頼正鎰理事長も、今年の3%成長はもはや望めないと口をそろえた。

 第2四半期の内需の成長率は3.03%で、うち個人消費は2.81%、輸出はマイナス1.31%、輸入は1.93%だった。主計総処の関係者は、個人消費と民間投資は安定成長と言えるが、モノの輸出減少だけでなく、サービス輸出も伸び悩むとは想定外だったと話した。第2四半期の訪台中国人旅行者は前年同期比2.92%減と、15四半期連続の成長がストップした。一方、連休が2回あった上、円安、ユーロ安で、出境者は11%増、うち訪日旅行者は26.29%増、欧州は25.18%増だった。

 第2四半期経済成長率の下方修正と、米国の利上げ見通しで、外資が18億米ドル以上を送金し、台湾元相場は31日、前日比0.081元安の1米ドル=31.682元と、4カ月ぶりの安値となった。

7月マイナス成長が濃厚に

 張盛和財政部長は、7月第1〜3週の輸出は減少幅が縮小したがマイナスのままだったと明かした。中国の製造業「紅色供給網(レッドサプライチェーン)」が徐々に力を付けており、台湾企業は競争力を向上させなければならないと指摘した。

 輸出不振が経済成長を抑制する中、経済財務関連の省庁関係者は、中央銀行(中銀)は▽利下げ▽元安誘導▽金融緩和──のうち、利下げは当面検討しないと指摘した。