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ウィンドウズ10に予想以上の反響、PC景気回復に光明


ニュース 電子 作成日:2015年8月3日_記事番号:T00058490

ウィンドウズ10に予想以上の反響、PC景気回復に光明

 マイクロソフトは30日、世界で29日にリリースした最新OS(基本ソフト)「ウィンドウズ10」にアップグレードされた端末は、24時間で1,400万台を超えたと発表した。従来予測の1,000万台未満を大きく上回る反響で、証券会社は、華碩電脳(ASUS)や宏碁(エイサー)などパソコンブランドの出荷が下半期に回復し、ブランドからの受託の8割以上が集中する広達電脳(クアンタ・コンピュータ)、仁宝電脳工業(コンパル・エレクトロニクス)が最大の恩恵を受けると予想した。3日付経済日報などが報じた。

 

 マイクロソフトのウィンドウズ&デバイセズマーケティング担当コーポレートバイスプレジデント、ユスフ・メディ氏は同社ブログで、「信じられない反響だ。これまでにないアップグレード需要の強さで、顧客からの評価も圧倒的に前向きなものだ」と手応えを語った。「10」へのアップグレードには予約が必要だが、多くのユーザーが順番待ちしており、この解消には数週間かかるとみられる。

 「10」のリリース待ちで低迷していた個人向けPC市場では、予想を上回るアップグレード需要を受けて、早くも複数の好材料が出てきた。

 そのうちの一つが、「10」に1年間限定で無料でアップグレードできる「7」、「8.1」搭載PCの在庫消化が加速するとの見方で、ASUSやエイサーなどブランドが恩恵を受ける見通しだ。

 また、「10」が備える生体認証によるサインインを可能にする機能「ウィンドウズHello」や、音声アシスタント機能「Cortana(コルタナ)」など、一部の機能は高度なハードウエアが必要になるため、全機能を駆使したいユーザーは約2年以内に発売されたPCを購入する必要があり、買い替えを促す見通しだ。

 さらに中国では、マイクロソフトが奇虎360科技、騰訊控股(テンセント・ホールディングス)、百度と提携して「10」をリリースしたが、出荷後2年以上の機種でアップグレード後に画面がフリーズするユーザーが続出した。アップグレード予約の順番を待てない一部のユーザーは「10」搭載PCへの買い替えに動き出し、例年9月の新学期需要が前倒しされる一因となっている。

エイサー、「10」搭載PC発売

 エイサーは30日に開幕した台北電脳応用展(台北コンピューター・アプリケーションズ・ショー、TICA)で、「10」搭載のノートPC「アスパイアE15(画面サイズ15.6インチ)」とデスクトップ「TC705」を発売した。販売価格はそれぞれ1万8,900台湾元(約7万4,000円)、2万2,900元。

 
エイサーの黃鐘鋒台湾区総経理は「業界に先駆けて消費者にウィンドウズ10体験を提供する」と語った(同社リリースより)

ペガトロン・鴻海などにも恩恵

 なお「ウィンドウズ10」はPCだけでなく、スマートフォン「ウィンドウズフォン」、ゲーム機「Xbox One(エックスボックスワン)」といったさまざまな端末向けOSも統合した「ワン・ウィンドウズ(1つのウィンドウズ)」だ。端末の垣根を越えたOSのリリースにより今後、複数の端末を使いこなしたい消費者のハード需要が増え、予想を上回るペースで革新的なスマートデバイス、スティック型PC、ミニPCなど多様なハードが開発されるとみられている。このため証券会社は、組み立ての和碩聯合科技(ペガトロン)、鴻海精密工業、緯創資通(ウィストロン)などがハード需要増の恩恵を分け合うことになると予想した。

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