ニュース 自動車・二輪車 作成日:2015年8月7日_記事番号:T00058595
日系輸入車の販売が好調だ。この2年で輸入車需要をうまく取り込みシェアを拡大してきたメルセデス・ベンツ、BMWに対し、円安や高品質イメージを追い風に反撃を仕掛けている。台湾馬自達汽車(マツダモーター台湾、MMT)は今年1〜7月の輸入車販売台数が1万211台と前年同期の3.1倍に増えた。新車販売が予想を上回るスバルは、通年販売目標を前年比24%増の7,000台に引き上げた。7日付工商時報などが報じた。
「CX-5」。台湾マツダは今年通年で2万台以上の新車販売を目指す(同社リリースより)
台湾輸入車市場は長らく日系ブランドが幅を利かせていたが、ここ2年は、欧州ブランドがこぞって比較的低価格の小型車や入門モデル車を投入して、需要を引き寄せていた。中でも「手が届かない高級車」のイメージが強かったベンツとBMWは、150万台湾元(約590万円)前後の新車を相次いで発売したことで、台湾生産車オーナーの買い替え意欲を刺激した。
こうした中、日系ブランドの反撃が始まった。製品ラインアップと戦略の調整を行い、円安も追い風に今年以降、欧州勢からシェアを奪い返している。
中でも台湾マツダは、中小型セダン「マツダ3」(日本名・アクセラ)とSUV(スポーツ多目的車)「CX−5」が、台湾生産の同クラス車に近い価格で人気を博している。マツダ3の7月新車登録台数は1,335台と、今年1月の発売以来で最高、CX−5も758台と台湾で発売して以来の最高となった。
また、トヨタの輸入SUV「RAV4」の7月新車登録台数は2,752台と、前月比33.9%増、前年同月比49%増となった。RAV4は今年、月平均1,664台を売り上げている。
この他、レクサスもSUV「NX200t」の供給量を十分に確保したことなどから販売が回復しており、7月の新車登録台数は前月比35%増、前年同月比3.1%増の1,528台で、ここ数年での単月最高を記録した。
インフィニティはスポーツセダン「Q50」の販売が好調で、今年1〜7月の新車登録台数は約900台と前年同期比9割以上増加した。
日系輸入車全体の今年1〜7月の販売台数は4万4,800台と、既に2013年通年の5万100台に迫っており、今年は昨年実績の6万400台を上回る勢いだ。
「台湾生産車の貨物税減免を」
一方、自動車業界団体、台湾区車両工業同業公会(TTVMA)の蔡文栄理事長は6日、今年1〜7月の輸入車シェアが過去最高の36%に達し、台湾の自動車産業が深刻な影響を受けているとして、政府に対し販売価格80万元以下の台湾生産車に対する貨物税(物品税)減免を呼び掛けた。
台湾自動車市場における輸入車シェアは05年の14%から右肩上がりで、ユーロ安、円安を背景に13年は31%と3割を突破、その後も過去最高を更新し続けている。
蔡理事長は、輸入車シェアが4割を超えれば、台湾の自動車部品サプライチェーンが破壊されると警鐘を鳴らした。自動車に対する税率25〜30%の貨物税を減免すれば、新車需要を喚起でき、市場全体の年間新車販売が10万台以上増えると予想した。
これに対し財政部は同日、自動車の貨物税は環境汚染税であり、各国とも課税していると指摘。貨物税を減免すれば車を持たない市民に対して不公平だと反論した。
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