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宝塚2回目の台湾公演、待望の開幕


ニュース 社会 作成日:2015年8月10日_記事番号:T00058600

宝塚2回目の台湾公演、待望の開幕

 宝塚歌劇団の2回目となる台湾公演が9日午後2時半、台北国家戯劇院(台北市中正区、全1,522席)を満席にして幕を開けた。前回2013年4月の初回公演後、市民からの再演要望を受けて、海外公演は通常5年間隔であるものの、台湾には異例の2年4カ月のスピードで宝塚の看板『ベルサイユのばら』を投入した。


宝塚のシンボル、大階段のセットも再現された(©宝塚歌劇団)

 第1幕の『ベルサイユのばら~フェルゼンとマリー・アントワネット編~』はスウェーデン貴族フェルゼンを演じる花組トップスター明日海りおの中国語でのあいさつで始まった。低く伸びのある歌声で主題歌『愛あればこそ』を客席いっぱいに響かせながら、フランス王妃マリー・アントワネット(花乃まりあ)との道ならぬ恋を横軸に、フランス革命をめぐる物語は進行した。セリフにぴったりのタイミングで舞台左右の中国語字幕が表示され、客席はテンポの速いストーリー展開に身を乗り出しつつ、大掛かりなセットで次々と変わる背景や、華やかなドレスを身にまとった約40人の息の合ったダンスに釘付けとなっていた。

 深刻なムードで終わった第1幕とは一転、第2幕は明るく楽しい歌や踊りから成るレヴューロマン『宝塚幻想曲(タカラヅカ ファンタジア)』。中でも、太鼓演奏が入った黄妃の『追追追』、五月天(メイデイ)の『現在就是永遠(OAOA)』、台湾語でしっとり聞かせた民謡『望春風』には曲に合わせて客席の手拍子が入り、曲が終わるたび大きな拍手と歓声に包まれた。

 台風13号(アジア名・ソウデロア)上陸で8日夜の公演が10日午後に振替となったことから、花組組長の高翔みず希と明日海りおは9日終演後、台風被災者へのお見舞いの言葉を述べた。最後に全員で『望春風』を歌い、明日海りおが「我愛台湾、再見!」と叫んで幕を閉じた。

 宝塚は初めてという30代の台湾人女性は、未婚女性だけで演じる宝塚の舞台に「男性以上に男らしかった」と驚いた様子だった。台北在住の40代日本人女性は「日本の誇る文化として、より多くの人に見てもらいたい」と語った。

 宝塚歌劇団の村川研策・制作部企画室長は、海外公演は舞台装置や衣装などが40フィートコンテナで18本分に達するなど多大なコストがかかるが、台北だけでなく台中や高雄からもオファーがあるので、早ければ2~4年後にも台湾で再演したいと話した。

 今回の台湾公演は16日まで全14回。全席完売だが、千秋楽の模様は20日、日本全国の映画館で上映予定だ。


公演プログラム(250元)をはじめ、14年公演DVDやトートバッグ、Tシャツなど10種類以上の宝塚グッズが販売され、売り場には長い行列ができた(9日=YSN)