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iPhone6s出荷予測、「初めて前機種以下か」=凱基証券


ニュース 電子 作成日:2015年8月11日_記事番号:T00058650

iPhone6s出荷予測、「初めて前機種以下か」=凱基証券

 アップルが9月9日に発表すると観測されるスマートフォン新機種、iPhone6sの今年の出荷台数は6,500万〜7,500万台となり、前モデルのiPhone6の昨年出荷台数7,300万台を下回る可能性があるとの予測が10日、凱基証券(KGIセキュリティーズ)より示された。中国のスマホ需要減退などを理由に「s」シリーズの出荷台数が初めて前モデルを下回るとの見方で、予測通りとなれば受託生産の鴻海精密工業、和碩聯合科技(ペガトロン)など台湾サプライヤーが影響を受けそうだ。11日付蘋果日報などが報じた。

 凱基証券はアップル製品の規格や発売スケジュールなどの予測で定評がある。同社は、昨年第3四半期からiPhone6の出荷台数を押し上げてきた中国でスマホ需要が弱まっている他、今年6月半ば以降の中国株急落で消費者の購買力が低下しており、iPhone6sの出荷に響くとの見方を示した。

 また、iPhone6sはiPhoneシリーズで初めて感圧タッチ技術「フォースタッチ」を搭載するとみられるが、同技術は既に腕時計型ウエアラブル(装着型)端末「アップルウオッチ」やノートパソコン「マックブック」の最新機種に搭載されており、市場の反応もいまひとつで、iPhone6sの出荷を伸ばす目玉スペックとはならないとの見方だ。

 iPhone6sをめぐっては先週、アップルが第4四半期の出荷見通しが当初予測を下回るとの判断の下、発注量を約1割削減したとの観測が流れた。

Q4見通し不透明=ペガトロン

 iPhone6sは前モデルと同じく4.7インチと5.5インチの2機種になるとみられ、このうちペガトロンは4.7インチ機種の受注割合が5割へと、従来予測の4割から上昇したと観測されている。ペガトロンは間もなくiPhone6sの第一次量産に入るとみられる。

 ただ、ペガトロンの林秋炭財務長は10日の業績説明会で、第4四半期のスマホ見通しは前年同期ほど明確でないと述べ、凱基証券の予測やアップルの発注削減観測をある程度裏付けたとも取れる発言を行った。

「スマホ需要、5年は落ちず」

 一方、程建中ペガトロン執行長は、スマホを含む通信製品の第3四半期出荷台数は前期比20〜30%増加し、前年同期を上回るとの見通しを示した。iPhone6sは少なくとも同社の第3四半期の出荷に貢献する見込みだ。

 程執行長はさらに、「スマホ市場全体の需要は今後5年間落ち込むことはなく、成長を続ける。当社は生産能力を拡充し、大口受注に常に対応できる準備を整える」と語った。スマホブランドの技術革新で製品の応用先がますます広がっており、消費者は常に新機種発表を心待ちにしていると楽観的な見通しを示した。

「Q3から業績回復加速」

 ペガトロンが同日発表した第2四半期の連結売上高は前期比20.5%減、前年同期比2.6%増の2,179億2,900万台湾元(約8,600億円)、純利益は46億5,600万元と前期比26.4%減少したが、前年同期の2.1倍に増えた。

 程執行長は、第2四半期は顧客の新旧製品の端境期などで非需要期となった他、第1四半期の業績が高水準だったことから減収減益となったが、前年同期比ではプラス成長しており、業績は安定していると説明。第3四半期に業績回復が加速すると予測した。

 第3四半期の出荷見通しについて林財務長は、ノートPCは前期比5〜9%増、デスクトップPC/マザーボードは約5%増と予想した。程執行長は、今年通年のノートPC出荷台数は前年実績の1,000万台から少なくとも横ばいになるとの見通しを示した。 

【図】