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「台湾人は世界一酒に弱い」、スタンフォード大の研究で判明


ニュース 社会 作成日:2015年8月12日_記事番号:T00058654

「台湾人は世界一酒に弱い」、スタンフォード大の研究で判明

 台湾では飲酒習慣を持たない人が多く見られるが、これは文化的要因だけではなく、台湾人が遺伝的に世界で最も酒に弱いためであることが、このほど米スタンフォード大学・医科大学院が行った研究で明らかとなった。

 スタンフォード大学が行った調査の結果、台湾人の47%が、アルコールが体内で代謝された後に生じるアセトアルデヒドを分解するアセトアルデヒド脱水素酵素(ALDH2)の働きが遺伝的に弱いということが明らかになった。

 ALDH2の働きが弱い場合、少量の飲酒で血液中のアセトアルデヒド濃度が高まり、顔が赤くなったり、吐き気や頭痛、眠気といったいわゆる「酒に弱い」症状を引き起こすという。

 こうした遺伝的要素は東アジアの国民に多く見られるが、ALDH2欠損者の比率は中国が35%、日本30%、韓国20%となっており、台湾の比率は世界最高と指摘されている。ただ台湾の原住民にはALDH2欠損はみられないそうだ。

 またスタンフォード大学・医科大学院の陳哲宏研究員によると、アセトアルデヒドには発がん性があり、ALDH2欠損者が1日に1〜2杯のワインに相当するアルコールを摂取し続けた場合、頭頸部(けいぶ)がんおよび食道がんに罹患(りかん)する確率が、酵素が正常に働く人の50倍に高まるという。

 米国では心臓血管疾病の罹患率を抑える効果があるとして1日に1〜2杯程度のワインを飲むことが推奨されているが、これは欧米の白人にはALDH2欠損者がほぼ存在しないためで、台湾人には適用できないと陳研究員は指摘している。

 スタンフォード大学ではALDH2を活性化させる新薬の研究に取り組んでおり、現在、第1相臨床試験を進めている最中で、5〜10年後の発売が見込まれるという。

 なお自分がALDH2欠損者であるかどうかは、ばんそうこうにウオッカや高粱酒(コーリャン酒)などアルコール度の高い酒を染み込ませて二の腕の内側に張ることで判断できるそうだ。約20分後に剥がした際、皮膚が赤くなっていれば70%の確率で欠損者だという。