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水道水混濁、台北市と中央が責任所在で対立


ニュース 社会 作成日:2015年8月12日_記事番号:T00058656

水道水混濁、台北市と中央が責任所在で対立

 台風13号(アジア名・ソウデロア)による影響で、台北市で水道水が濁る状況が続いたことについて、台北市と中央政府が責任の所在をめぐり対立している。12日付聯合報が伝えた。


台風13号が台湾を離れた翌9日も、新店渓は濁ったままだった(中央社)

 台北市は土砂崩れが起きたとみられる水源地の南勢渓上流の保全責任は中央政府にあると主張。これに対し、中央政府は台北市政府が翡翠ダムの放水を行わず、水の混濁を軽減しなかったと対応を批判している。

 水道事業者である台北自来水事業処の陳錦祥処長は「当日は河川の水位が上昇しており、ダムを放水すれば下流の新店渓は大変なことになっていたはずだ」と反論。今後の混濁防止策としては、専用送水管で翡翠ダムの水を直潭浄水場に直接引き込み、南勢渓からの水が混ざらないようにすべきだと提言した。

 一方、経済部の楊偉甫常務次長(次官)は、取水口付近の水が混濁した場合には、断水措置を取る必要があったとし、「一時的な断水措置を我慢してもらい、混濁度が低下した段階で、翡翠ダムの水を放水するなど柔軟に運用すれば、状況はこれほど深刻にはならなかったはずだ」と批判した。

 市側が必要性を指摘する翡翠ダムから直潭浄水場への送水管整備構想は、31億台湾元(約120億円)の経費がかかる上、地元住民が反対しており、これまで棚上げとなっている。