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卵子提供者が増加、女子大生やモデルも


ニュース 社会 作成日:2015年8月17日_記事番号:T00058735

卵子提供者が増加、女子大生やモデルも

 衛生福利部国民健康署の統計によると、2012年に台湾では計1万6,041件の人工授精が実施され、うち他人から提供された卵子を使用して行われた人工授精は508件と前年比6割増加した。それでも卵子の数は足りない状況で、生殖補助医療機関などは、卵子の提供者に人工生殖法で定められた9万9,000台湾元の謝礼金「栄養費」を支給するなどして卵子の確保を図っている。

 不妊治療や人工授精などのサービスを提供する送子鳥生殖センターの統計によると、これまで月に100人程度だった卵子の提供希望者が今年の7月は夏休みシーズンに入ったことも手伝って300人を突破。8月も既に400人を超え、前年の約2倍に増えている。

 また大学生や新社会人など若年層の提供者が増えている他、ある産婦人科医によると、5〜6人のモデルが集団で提供を申し出たこともあるという。彼女たちは主に自動車の展示会でコンパニオンを務めており、収入が不安定なため栄養費を目当てに誘い合わせて卵子を提供することに決めたそうだ。中には手にした栄養費を整形手術に使うモデルもいたという。

 またある23歳の双子の姉妹は、「経験者」の友人から「卵子の提供はその過程で痛みも感じないし、副作用もない」と聞き、「人助けもできる上にお金も稼げるなんて、やらなきゃもったいない」と考えて提供を決意したと語る。

 なお台湾において卵子の提供者となるには20〜40歳で、ダウン症候群やサラセミア(地中海貧血)といった先天性の疾病、肝炎、梅毒、エイズなどの伝染病を患っていないことが条件となるが、現状では事前の検査で希望者の3分の2が失格と判定されているという。また人工生殖法により、1人が生涯で卵子を提供できるのは1度に制限されており、人工授精に使用される卵子の数は依然、深刻な不足状態にあるそうだ。

 若い女性が小遣い稼ぎに卵子を提供するというのは少し「ノリ」が軽過ぎるという印象はあるものの、不妊に悩む夫婦にとって光明となっていることは間違いない。卵子の提供には深刻な場合、腹部や卵巣に水がたまる、血栓症といったリスクこそあるが、将来の出産能力に影響が出ることはないそうで、適切な制度が整備されていれば、提供者の増加は望ましいことに違いない。