ニュース 社会 作成日:2015年8月25日_記事番号:T00058894
現在台北市で開催されている美術展で23日午後、12歳の男児が時価5,000万台湾元の価値があるという名画を見ていた際、不注意から作品を破ってしまうという事態が起きた。インターネット上では、主催者側の管理不行き届きを指摘する声や、男児の両親に莫大(ばくだい)な賠償金が請求されるのではないかと同情する声が上がっている。
被害を受けた『花』。蔡氏は「今回の事態が今後台湾への名画誘致に影響しなければいいが」と語った(真相ダビンチ特展フェイスブックページより)
トラブルが発生したのは6月27日から9月20日まで台北市の華山1914文化創意産業園区(華山1914クリエーティブパーク)で開かれている「真相ダビンチ・天才の作特展」と題された美術展で、同展にはレオナルド・ダビンチの『自画像』をはじめ、ルネサンス期から20世紀にかけて創作された作品55点が展示されている。
今回破損被害を受けたのは、17世紀のイタリアの画家、パオロ・ポルポラの作品『花』で、主催者が監視カメラの映像を調べたところ、缶入り飲料を手にした男児が他の参観者に続いて『花』の前を通り掛かった際、作品の前に設置されていた板につまずいてバランスを崩し、思わず絵の上に直接両手を付いてしまった。これにより作品の中央下部が破れ、こぶし大(11×8センチメートル)の穴が開いた。
当時、『花』の前の床には白い木製のプレートが敷かれ、その端に立ち入り禁止用のポールとロープが設置されていた。管理が十分ではなかったとの指摘に対し主催者は、欧州の展示基準に合致するよう作品とロープの間に80センチメートルの間隔を空けており、イタリア側の承認も得ていると強調した。
作品の破損を受けて主催者は直ちに『花』を撤去し、イタリアの展示会企画担当者に連絡。同作品の持ち主の同意を得て台湾で修復作業を行うことを決めた。主催者は著名な絵画修復士の蔡舜任氏に協力を依頼。直ちに現場に駆け付けた蔡氏は「破損個所は比較的大きいが、肉眼で見分けがつかない程度に修復することは可能だ」と説明。夜を徹して作業を進めた結果、きょう(25日)早朝に修復が完了し、無事、展示を再開した。
破損に対する賠償だが、展示会開催に際しイタリアの企画者は作品に保険をかけており、男児の家族に賠償金を求めることはないと説明している。
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