ニュース 社会 作成日:2015年9月1日_記事番号:T00059024
台湾では年間4万トンを超える茶葉の需要があるが、茶葉の生産量は同1万4,000トン余りにすぎず、残りの3万トン近くは輸入に頼っている。にもかかわらず市場で輸入茶葉が売られている光景はほとんどみられない。その理由について聯合報が調査を行ったところ、「台湾産」として販売されている茶葉の多くに外国産の茶葉が混入されている実態が浮き彫りとなった。
台湾では今年4月に紅茶飲料スタンドの「英国藍(イングランド・ストーナウェー)」が調達した輸入茶葉から残留農薬が検出されたことを皮切りに、50嵐、CoCo都可といった大手チェーンを含め、飲料スタンドが使用する茶葉から相次いで残留農薬が検出され、大きな問題となった。
これについて茶葉の名産地、南投県の陳正昇副県長は、「業界では安価な輸入茶葉を台湾産に混ぜて(台湾産として)販売することは公然の秘密だ」と指摘。輸入茶葉の価格は台湾産に比べ70%以上安いため、「混ぜ物」の販売による利益率は高くなることから茶葉の輸入量は年々増え続け、ペットボトル入り飲料や飲料スタンドの商品、台湾ブランドの烏龍茶に使用が広がっているという。
なお統計によると輸入量が年間約3万トンに上る外国産茶葉のうち、2万トン以上をベトナム産が占めている。同国では政府が農薬の使用に規制を設けているものの、実際の使用状況は依然として農家の裁量に左右されており、台湾に農薬が残留した茶葉が流入するか否かは通関検査にかかっていると茶農家は指摘した。
しかし、台湾における輸入茶葉の通関検査は、抜き取り率がわずか5%にすぎず、さらにコンテナの最も外側からサンプルを採取しているため、業者は問題のある茶葉をコンテナの奥深くに潜り込ませて検査に合格しているとの指摘もある。一方、台湾産茶葉に対しては全箱検査が求められるという本末転倒の状況で、これが「混ぜ物」横行の背景となっているようだ。
当然、台湾の茶農家は茶製品における茶葉の産地義務付けを求めており、監察院も5年前、行政院衛生署(現・衛生福利部)に対し、1%の台湾産茶葉しか含まれていなくても「台湾産」とうたうような事態が起きないよう、外国産を混ぜた製品の標示規則を改善するよう要求した。しかし販売業者からの抵抗や政府の消極姿勢などにより実現していない。聯合報は、正確な原産地標示の義務付けこそが茶飲料の安全問題に対する根本的な解決策だと指摘し、政府に早急な対策を求めた。
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