ニュース 運輸 作成日:2008年3月5日_記事番号:T00005909
中華航空(チャイナエアライン)と長栄航空(エバー航空)は4日、航空燃料価格が高止まりし、運航コストが上昇していることから、今月中下旬より、国際線を全面的に値上げすると発表した。値上げ幅は平均で前年同期比10%、最高で15%となる。5日付聯合報によると、これは1回の値上げ幅としては過去10年で最大で、燃料高騰が続けばさらなる値上げの可能性もあり、旅行業界への影響が懸念されている。
中華航空は3月中に平均10%前後値上げすると発表。長栄航空(エバー航空)も、総統選挙(22日)後に平均12%の値上げ実施を発表した。両社の国際線のうち上げ幅が最も大きいのは、米国線で12~15%となる。欧州線がこれに続き、アジア線は最も上げ幅が小さいが、それでも7%以上の上昇となる。
蘋果日報によると、台北~東京は中華航空で従来の1万4,000台湾元(4万6,700円)から1万5,400元に、エバーで同1万4,100元から1万5,900元に値上がりする。
JAAとANKは実施せず
その他の域内各社も、復興航空(トランスアジア・エアウェイズ)航空で第2四半期からマカオ線で2~5%、韓国線で約10%、華信航空(マンダリン・エアラインズ)は3月中旬以降に約10%以上、立栄航空(ユニー航空)も10%値上げを示唆している。経営不振から身売りが取りざたされている遠東航空(ファーイースタン・エア・トランスポート)は、他社の動向を見て同調するか否かを決定するとしている。
一方、日本アジア航空(JAA)、エアーニッポン(ANK)はワイズメディアの取材に対し、当面値上げは行わない方針を表明した。例年通り季節的な価格調整を行うのみで、燃料費高騰には、燃料サーチャージの調整で対応するとしている。
コスト上昇に追いつかず
長栄集団の聶国維スポークスパーソンによると、今年第1四半期の航空 燃料価格(117米ドル/バレル)は昨年の平均価格(84米ドル/バレル)を40%も上回っており、今回10~15%値上げを実施するが、依然残り約3割のコスト上昇分は航空会社が吸収しなければならないと、苦しい運営状態を明かした。
日本ツアーは一千元値上げ
旅行業者によると、日本への団体ツアー費用は約1,000元の値上げとなる見通しだ。また、このまま燃料価格高騰が続けば、夏休みの旅行シーズンは、最盛期には国際線チケットが昨年末比で20%上昇するとの観測も出ており、旅行商業同業公会の曽盛海名誉理事長も、「昨年7月から団体ツアーで出境する人の数は減り続けており、今回の値上げで今年の海外旅行市場はさらに痛手を受けることは間違いない」と懸念を示した。
また、財団法人消費者文教基金会は、「航空会社は既に燃料サーチャージを徴収しており、今回の値上げは両側から消費者の皮を剝ぐようなものだ」と批判している。
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