ニュース 機械 作成日:2015年9月4日_記事番号:T00059129
パソコン大手、宏碁(エイサー)の陳俊聖(ジェイソン・チェン)執行長は3日、米国の人工知能(AI)搭載の家庭用ロボット開発スタートアップ企業、Jibo(ジーボ)への出資が完了した他、年内に別のロボット投資計画もあると述べた。Jiboへの出資額と出資比率は明かさず、アジア市場でエイサーのクラウドサービスを提供する考えを示した。また、ロボット本体の自社開発の計画はないとしたが、一部製品のODM(相手先ブランドによる設計・製造)は視野にある。4日付蘋果日報などが報じた。
陳執行長は、ロボット市場はゼロが1になったところで、今後1を10にするには市場規模の拡大が必要と指摘した(同社リリースより)
Jibo社は、マサチューセッツ工科大学(MIT)のシンシア・ブリジール准教授が創業した企業で、「顔認識」「写真撮影」などの機能を搭載した家庭用ロボット「Jibo」の開発・製造・販売を目指す。エイサー、KDDI、電通などが今年8月に1,100万米ドルの増資を引き受けた。
陳執行長は、出資は完了したが、エイサーにとっては戦略的投資で本業との連携はまだないと話した。Jiboの主要市場は米国だが、増資引き受けの条件としてアジア市場参入の際にはエイサーが一定の役割を担うと取り決めており、具体的な提携方法について現在協議中だと語った。
エイサーはクラウドのソフトウエア開発キット(SDK)を開発者に提供する計画だ。Jiboは今秋、世界45カ国・地域で499米ドルで発売予定。
ロボット市場、ゆっくり成長
台湾メーカーのロボット事業については、鴻海精密工業が提携しているソフトバンクの世界初の感情認識パーソナルロボット、Pepper(ペッパー)が大人気となっている他、華碩電脳(ASUS)も来年ロボット発表を目指している。
陳執行長は、ロボット産業は既に始まっており、エイサーが今からロボット部門を設立して研究するのは現実的と言えず、買収は選択肢の一つだが、自社開発の計画はないと語った。ただ、ロボット市場は想像していたより歩みが遅く、2〜3年で成熟することはないと予測した。
陳執行長は、Jiboに続く、2件目となるロボット投資は協議が最終段階にあり、年内に出資が完了する見通しだと話した。2件目の投資は商業用ロボットで、製造業のロボットアームではないと説明した。一方、無人機(ドローン)について、撮影後のソフトウエアサービスを進めているが、ハードウエアには手を付けていないと語った。
ASUS合併、「法的に不可能」
PC市場低迷でASUSとの合併や敵対的買収の観測が途絶えないが、陳執行長は、両社の台湾市場シェアは合計70%を超えるので、公平交易法(独占禁止法に相当)に違反すると話した。中国企業に買収される可能性については、行政院大陸委員会(陸委会)の審査、企業文化の相違が課題と指摘した。
施振栄名誉董事長は、エイサーは手元に現金があり、規模を拡大するため、M&A(合併・買収)を進めると述べ、ターゲットとして▽通信▽スマートハウス▽ヘルスケア▽IoV(インターネット・オブ・ヴィークル、車のインターネット)──を挙げた。
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