ニュース 社会 作成日:2015年9月7日_記事番号:T00059130
台北松山空港の芝生地帯で昨年末、毒を持つ外来種のアリ、「ヒアリ(別名・アカヒアリ)」のアリ塚が発見され、投薬による駆除が行われた。しかし経費の不足もあって成果が上がらず、ヒアリの生息エリアは拡大し、約200カ所のアリ塚が発見されている。海外の空港ではナビゲーション設備のケーブルが切断されるといった被害も報告されており、運航の安全が脅かされる事態となっている。
ヒアリは南米原産のアリで、腹にある毒針で人間が刺されると強い痛みを感じる他、アレルギー反応により発汗、激しい動悸、息苦しさを引き起こし、最悪の場合は死に至る危険もあるという。
長らくアジアへの侵入は見られなかったが、2001年にマレーシア、03年に台湾、05年に中国南部で発見されている。なお台湾で最初にヒアリが確認されたのは桃園国際空港で、飛行機の機体または貨物に付着して運ばれた可能性が指摘されている。
その後、桃園空港では駆除が進められた結果現在、同空港内でヒアリの姿は見られなくなった。しかし、ヒアリは既に空港の外へ生息エリアを拡大しており、桃園市では現在4万9,600ヘクタールに分布するとされ、さらに新竹県、新北市、その他県市でも生息が確認されている。
なお専門家によると、今回、松山空港に侵入したヒアリは3年前に滑走路の拡張工事を行った際に持ち込まれた土の中に含まれていた可能性がある他、隣接する河川敷公園で10年にヒアリが発見されており、ここから空港内へ侵入したとも考えられている。
なお松山空港では現在、滑走路や誘導路の改修工事を進めているが、ヒアリ繁殖エリアに指定されているため、工事の過程で出た土を他所へ移すことが禁じられており、空港内に保管せざるを得ない状況となっており、さまざまな影響が出ているという。
こうした中、同空港は今年、925万台湾元の特別予算を計上し、今月からヒアリ駆除を進める予定で、繁殖エリアの指定解除には「半年間、ヒアリが確認されないこと」が条件となるため早ければ来年3〜4月には解除できるとしている。ただ、専門家は駆除には1年〜1年半かかり、その後半年間の観察期間を要するとの見方を示している。
なお統計によると昨年、台湾全土でヒアリに刺され、医師の診察を受けたというケースが90例報告されている。国家ヒアリ防治センターは、刺された場合はすぐに患部を氷で冷やした後、石けんでよく洗う。アレルギー反応が見られた場合はすぐに病院で診察を受けるよう助言している。
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