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「中台の産業格差は5年」、在台多国籍企業が警告


ニュース その他分野 作成日:2015年9月7日_記事番号:T00059134

「中台の産業格差は5年」、在台多国籍企業が警告

 理律法律事務所(リー・アンド・リ・アトニーズ・アット・ロー)が4日に開いた50周年記念シンポジウムで、多国籍企業の台湾法人トップからは、台湾経済の先行きを懸念する声が相次いだ。5日付聯合報などが伝えた。

 台湾デュポンの黄坤煌総裁は「台湾と大陸(中国)の産業格差は5年しかない。5年後には大陸の能力が向上し、台湾の退路はなくなる」と懸念を示した上で、「台湾に残された優位性は人材と存続している産業クラスター、やや高い技術レベルだ」と指摘した。

 フォードの台湾子会社、福特六和汽車(フォード六和モーター)の范炘(トーマス・ファン)総裁は「台湾の一部産業は5年の優位性すらない。自動車業界の場合、過去10年間で大陸が急速に発展し、既に台湾に追い付いた。今は部品でさえ大陸に遅れている」と述べ、台湾がこれまで外国企業の域内運営拠点の誘致を進めてきたことについては、「タイミングは過ぎ去った。チャンスはゼロだ」と断じた。

 台湾積体電路製造(TSMC)の張忠謀(モリス・チャン)董事長は、台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)への加入について、「選択肢はなく、必ず加入すべきだ」と述べる一方、「台湾は自由化の準備ができておらず、加入できる可能性は低い」との見方を示した。

 一方、財界からは台湾への投資を「外資」と「大陸資本」に分けている現行制度を一本化すべきとの意見も出た。

 ただ、経済部投資審議委員会(投審会)の張銘斌執行秘書は「適当な時期とはいえず、長期的な検討方向にしたい」と述べるにとどまった。