ニュース 社会 作成日:2015年9月11日_記事番号:T00059239
台湾全土でデング熱が猛威を振るう中、感染者数が突出して多い台南市では、長引く流行に市民や地域間で対策に温度差が生じている。
現在、デング熱の流行は一向に収まる気配を見せておらず、台湾全土の確定症例は10日時点で前日より607件増えて8,060件。そのうち7,130件が台南市で確認されている。
こうした中、台南市では感染を恐れる市民がウイルスを媒介する蚊の繁殖を防ごうと、自宅の排水口に毎日漂白剤を注ぎ込んだり、厚紙の上に黒いビニール袋を貼り付けてハエ取りスプレーを吹き付けた自作の「蚊よけボード」を立て掛けたりと、さまざまな予防策を打ち出している。
また市の中心部に住むある市民は、植木に水をやる際にもウイルスを媒介する蚊に刺されないよう、長袖、長ズボン、さらにフルフェイスのヘルメットをかぶるという徹底ぶりだ。
小学生の息子を持つ父親は「デング熱で死ぬこともある」と子供に言い聞かせ、早朝から30度に達する暑さの中、長袖を着せて学校に通わせている。台南大学のグラウンドでウオーキングにいそしむ近隣住民も、歩きながら頻繁に虫よけスプレーを体に吹きかける。この他、「文旦(ブンタン)の皮を干して燃やせば蚊よけになる」と孫に知恵を授ける祖母の姿も見られた。
しかし一方、南部では例年のようにデング熱が流行していることもあって、ほとんど対策を講じない市民も多いようだ。
学校では子供の半数以上が依然半袖短パンで通っており、あるグラウンドでは短パン姿の市民が「動いていれば蚊に刺されない」と豪語していた。また、山間部の住民も「蚊はこんな高いところまで飛んでこない」と考えて対策を講じないことが多いという。
こうした状況に市の防疫担当者は「こんなことだから、いつまでも感染の拡大が食い止められない」と頭を抱えている。
なお衛生福利部(衛福部)と環境保護署(環保署)は10日、デング熱の予防状況について報告を行い、これを受けて毛治国行政院長は「流行は11月以降まで続く」との見通しを示した。また国家衛生研究院の蘇益仁教授も、今年の台南市の症例数は昨年の高雄市の1万5,000件を超えると予測。感染の防止体制を強化するよう政府に呼び掛けている。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722