ニュース 電子 作成日:2015年9月16日_記事番号:T00059343
経済部中小企業処が15日発表した「2015年中小企業白書」によると、中小電子部品製造業の14年輸出額は2,952億9,900万台湾元(約1兆1,000億円)で前年比2.7%増加したものの、中小企業全体の輸出額に占める割合は28.44%で同1.08ポイント低下した。中国のサプライチェーン現地化政策などの影響により、台湾の中小電子部品製造業の輸出額構成比は12年の44.43%から大幅に下落した。同白書は「当面は12年水準を回復するのは困難」と指摘した。
中小電子部品製造業の輸出額は13年に2,875億2,600万元と前年比50.05%減少し、構成比は29.52%と一挙に3割を切った。輸出額構成比では依然全産業項目の中で最大だが、構成比そのものの縮小は、台湾の輸出を支えてきた中小電子部品製造業の国際的な競争力低下を意味する。
同白書は、台湾の輸出に構造変化が起きており、世界のサプライチェーンにおける台湾電子部品メーカーの地位がライバル国に奪われたことがその主因と指摘。特に中国政府がサプライチェーン現地化政策を進めたことで、台湾メーカーの中国市場での受注が打撃を受け、影響は今後他の市場での受注にも波及すると予想した。
この他、部品価格の下落や、技術革新やモジュール化に伴う部品点数減少で輸出量が減少したことも、中小電子部品製造業の輸出額が12年から大きく落ち込んだ要因と指摘した。
その上で、世界の経済情勢が変動しやすく、サプライチェーンの国際化、技術革新が進む中、中小企業の経営環境は厳しさを増していると強調。中小企業は市場開拓のため、自社の力や政府による一連の輸出支援策だけに頼るのではなく、同業他社との共同マーケティングといった団体戦に取り組んだり、ビジネスモデル、技術の向上を図ることが必要だと提言した。
対売上高輸出割合、依然低迷
一方、中小企業全体の売上高に占める輸出額の割合は14年に12.62%と前年比0.04ポイント上昇したが、12年比では2.74ポイント下落で、低下傾向が続いている。これについて同白書は、▽ライバル国の通貨安による台湾製品の価格競争力低下▽台湾企業の海外生産比率上昇▽台湾企業の外需から内需主導へのビジネスモデル転換▽台湾の地域経済統合への参加の遅れ──などを要因に挙げた。
14年の中小企業数は135万3,049社で全企業の97.61%を占め、うち約8割がサービス業。中小企業の従業者数は866万9,000人で、全企業の78.25%を占める。
【図】
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