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中国の医薬品審査改革、中台業界に大きな影響


ニュース 医薬 作成日:2015年9月21日_記事番号:T00059407

中国の医薬品審査改革、中台業界に大きな影響

 中国国務院(中央政府)は先月、医薬品と医療機器の審査評定制度の改革に向けた意見文書(通称44号文書)を公表し、中台の医薬品業界に大きな影響が見込まれている。21日付工商時報が伝えた。

 意見文書はまず、新薬の審査手続きを加速すると同時に、複数の国で臨床試験を同時進行することに支持を表明した。これにより、▽太景生物科技(タイジェン・バイオテクノロジー)▽晟徳大薬廠(センター・ラボラトリーズ)▽健亜生物科技(ジェノベイト・バイオテクノロジー)▽智擎生技製薬(ファーマエンジン)▽中天生物科技(マイクロバイオ)──など台湾の新薬開発型の医薬品メーカーは中国での臨床試験戦略が立てやすくなる。

 同文書はまた、エイズ、悪性腫瘍(しゅよう)、重大伝染病、まれな病気などの新薬開発を「国家科学技術重大プロジェクト」と「国家重点研究開発計画」に組み入れた。台湾メーカーでは、▽台湾浩鼎生技(OBIファーマ)▽中裕新薬(タイメド・バイオロジクス)▽薬華医薬(ファーマ・エッセンティア)▽国鼎生物科技(ゴールデン・バイオテクノロジー)──などに追い風となりそうだ。

 業界誌「環球生技月刊」は意見文書について、「新薬にはさまざまな便宜が図られる一方、特色がない後発医薬品(ジェネリック医薬品)は淘汰(とうた)されることになる」と指摘。改革が実施に移される来年に向け、台湾メーカーは早めに準備を進めるべきだと指摘した。

 中国の国家食品薬品監督管理総局(CFDA)によると、中国の化学薬品の8割が後発医薬品で、医薬品メーカー4,700社の9割には研究開発(R&D)部門がないという。このため、研究開発能力に優れた台湾の医薬品メーカーにとっては、業界再編が追い風になる可能性がある。