ニュース 社会 作成日:2015年9月22日_記事番号:T00059422
台湾海軍の中校(中佐)が自費で購入した米軍用の装備を着用して演習に参加した上、フェイスブックに「司令部が装備の品質の悪さを無視しているため、軍人は自前で買いそろえるしかない」などと書き込んだことが議論を呼んでいる。
今回、司令部批判を行ったのは海軍陸戦隊・両棲偵捜大隊で爆破中隊長を務める許誠宜中校(40)。海軍の同僚によると、許中校は大学卒業後に預備軍官(予備役士官)として兵役に就いていた際、国軍への熱い思いから志願兵へ転じ、その後、少尉から中校まで階級を上げたという。優秀が成績だったため、米国の陸戦隊に派遣され訓練を受けたこともあるそうだ。
また、今年開催された「抗戦勝利70周年記念大会」で行われた軍事パレードの準備で許中校と作業を共にした別の兵士によると、中校は当時、部下を呼び寄せ、「ここは君たちより給与を多くもらっているわれわれが運ぶ」と口にしたという。この兵士は「下級兵士をばかにしない上官に初めて出会った」と感激したそうだ。
そんな国防に強い情熱を持つまじめな許中校は、自らが使用する装備の質が悪いことにも我慢できなかったらしく、今月10日に屏東県の海岸で行われた演習に計13万台湾元の自費を投じて買いそろえた米軍用のヘルメットや防弾チョッキなどを着用して参加。演習後、フェイスブックに購入した装備の写真を掲載した上で「国家が提供する装備の品質は期待を下回るものとなっているため、部隊を率いる者として身をもって範を示した」と書き込んだ。
この書き込みに対しネットユーザーからは勇気を称える称賛の声が相次いだが、国防部は「士官および兵士の服装は作戦および規律上の要求から一致させる必要がある他、安全認証を受けていない市販の装備は防護機能が不安視されるため、個人的な購入は関連規定で禁じられている」とコメント。海軍司令部も「公務に関する議論をネット上で行うことは不適切」として許中校に口頭で注意したことを明らかにした。
しかし、軍の装備品質が悪いことは事実のようで、軍事情報関係のサイトを運営する施孝瑋氏は「国軍の下層部隊で使用する装備は第二次世界大戦時代の水準にとどまっており、国防部がこの問題を直視しなければ、今後兵士の士気に影響が出る」と指摘している。こうした問題を身をもって指摘した許中校に応援の声を送ろうと、フェイスブック上に支援サイトが立ち上げられており、既に2,000人近い賛同者を集めている。
台湾のコンサルティングファーム初のISO27001(情報セキュリティ管理の国際資格)を取得しております。情報を扱うサービスだからこそ、お客様の大切な情報を高い情報管理手法に則りお預かりいたします。
ワイズコンサルティンググループ
威志企管顧問股份有限公司
Y's consulting.co.,ltd
中華民国台北市中正区襄陽路9号8F
TEL:+886-2-2381-9711
FAX:+886-2-2381-9722