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心臓手術で日台連携、特異血管の患者救う


ニュース 社会 作成日:2015年9月24日_記事番号:T00059478

心臓手術で日台連携、特異血管の患者救う

 台中市の病院でこのほど、ある心臓病患者が特異な血管を持つため、手術ができずに困っていたところ、たまたま同分野の権威として知られる日本人専門医が来台することが分かり協力を依頼。日台連携で無事、患者の命を救うことに成功した。


緒方氏(左4)は今回のような難しい心臓カテーテル手術を年50〜60件こなしている(22日=中央社)

 台中市豊原区に住む65歳の男性は、約1年前に脳卒中で倒れ、同区内の豊原医院に入院していたが、さらに今年7月、右冠状動脈の閉塞(へいそく)による胸部圧迫感および呼吸困難といった狭心症の症状を訴えた。

 そこで病院側は心臓カテーテル手術に踏み切ったが、執刀医はそこで患者の血管の2カ所がヘアピン状の特異なカーブを描き、金属製のカテーテルを通すことが不可能な状況であることを発見した。

 そんな中、豊原医院・心臟内科の曹承栄主任は、同分野で数々の手術を成功させた経験を持つ日本の専門医、緒方信彦氏(自治医科大学心疾患治療部准教授)が8月に学術交流のため来台するとの情報を得、すぐに心臓学会を通じて同氏に協力を要請。緒方氏はこれを快諾し、同月初めに来台した際に曹医師と協力して6時間に及ぶ手術を成功させた。

 患者は術後2日間、集中治療室で経過を観察した後、無事に退院している。

 緒方氏によると、心臓カテーテル手術は血管の閉塞の程度に応じて難易度が5段階に分けられるが、今回の患者は「4.5」レベルで、さらに血管開口部に異常が見られたことから、手術は困難を極めたという。手術時間6時間は同氏の経験では2番目に長いケースだそうだ。

 なお緒方氏は今回の依頼を承諾した理由について「東日本大震災のときに台湾から送られた支援に感謝し、これに報いたいと考えた」と説明。「台湾で台湾人患者の手術に協力できてとてもうれしい」と語った。