ニュース 電子 作成日:2015年9月24日_記事番号:T00059504
ファウンドリー最大手、台湾積体電路製造(TSMC)は23日、第4四半期の連結売上高は1,980億〜2,040億台湾元(約7,200億〜7,400億円)となり、前期比4.2〜6.1%減少、前年同期比8.3〜11%減少するとの予測を示した。半導体サプライチェーンの在庫消化が依然完了していないことが減収の主因とみられ、証券会社は、クアルコムや聯発科技(メディアテック)などの発注削減が、アップルのiPhone6s搭載「A9」プロセッサー受注効果を打ち消すと分析した。24日付経済日報などが報じた。
TSMCが業績説明会前に次期業績見通しを発表するのは初めてだ。同社によると、一部の外資系証券会社のリポートが同社の第4四半期業績予測値を大きく上回っており、市場に過度の期待を抱かせないよう前もって予測値を発表する必要があると張忠謀(モリス・チャン)董事長が判断したという。
証券会社は、前期比減収幅が1割以下なら季節変動の範囲内だと指摘した。
TSMCは、第4四半期の前期比減収は同社の16ナノメートル製造プロセスと関係なく、同プロセスは従来予想通り順調に量産入りしていると強調した。設備業者は、TSMCの16ナノはフル稼働を維持しており、来年上半期の売上高にはっきり反映されると予想した。
ドイツ証券の周立中・半導体産業アナリストは、TSMCの顧客の在庫補充は来年初めに始まり、同社の設備稼働率は来年第1四半期半ばに底打ち、同四半期末から第3四半期まで上昇し続けると予想した。
Q3売上高は上方修正
TSMCは同日、対米ドルでの台湾元安により、第3四半期の売上高は前期比2.7〜3.7%増の2,110億〜2,130億元となり、同社が7月に発表した従来予測値を1.4〜1.9%上回るとの予測も示した。粗利益率の見通しは47〜49%、営業利益率は36.5〜38.5%で据え置いた。今年通年の売上高は8,400億元前後となる予測で、従来予想の2桁成長水準を維持している。
台湾製設備を先行導入
TSMCは、国家実験研究院儀器科技研究中心(国研院儀科中心)と発光ダイオード(LED)最大手、晶元光電(エピスター)、設備メーカーの均豪精密工業(GPM)子会社である均華精密工業が共同開発し、22日に発表したチップ欠陥検出装置を購入したことが分かった。儀科中心の黄吉宏組長によると、チップ欠陥検出装置は現在日本、ドイツ製が中心。台湾は半導体王国ながら関連設備は輸入に頼っている状態で、TSMCの導入により、台湾製半導体設備の現地化に光明が差したと指摘されている。
儀科中心らが発表したチップ欠陥検出装置はサムスン電子も導入しており、台湾製設備の国際競争力を示す実例となっている(儀科中心リリースより)
儀科中心らが発表したチップ欠陥検出装置は、問題のないチップを取り分けるソーターが付き、検査も行うものだ。価格が非常に高く、取り分け速度が3分の1に落ち、検査エラー率が10%に達する海外製と違い、取り分け速度は落ちず、検査エラー率もわずか1%だ。
エピスターの許嘉良協理は、同装置で検査コストを2分の1から3分の2減らせると説明した。
均華精密工業の許鴻銘総経理は、今後は中国市場も開拓すると明かした。
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