ワイズコンサルティング・グループ

HOME サービス紹介 コラム グループ概要 採用情報 お問い合わせ 日本人にPR

コンサルティング リサーチ セミナー 経済ニュース 労務顧問 IT 飲食店情報

獄中14年で7千冊読破、死刑囚の性格に変化も


ニュース 社会 作成日:2015年9月25日_記事番号:T00059506

獄中14年で7千冊読破、死刑囚の性格に変化も

 台南看守所(刑務所)に、14年の獄中生活で7,000冊もの書物を読破した死刑囚が存在する。もともと本嫌いだった彼は、死刑判決を受けた後、毎日を大切に生きようと小説や宗教書などを手にするようになり、今では1日の大半を読書に費やしている。そんな死刑囚を見守る刑務所の関係者は「本を読むことで冷酷だった彼が善良で優しい顔つきに変わった」と語っている。


1日中本を読む陳死刑囚(写真)の姿に感化されたのか、台南看守所では他の受刑者にも、夜になると本を読む習慣が根付いたそうだ(24日=中央社)

 台南看守所に服役する陳文魁死刑囚(53)は14年前、金銭トラブルから2人を銃で殺害、3人を負傷させたとして死刑判決を受けた。

 その後、自分のしたことを深く後悔し、遺族に対し謝罪を続けた彼は「あすを迎えられるかは考えず、1日1日を大切に生きよう」と考え、書物を手にするようになった。

 幼いころ家が貧しかった陳死刑囚は、満足に教育が受けられなかったこともあって本を読むことにまったく興味がなかった。しかし刑務所内で武侠小説から始まり、教養書や宗教書などを読むようになると、徐々に読書にのめり込み、今では毎日8時間の読書が日課となっている。

 陳死刑囚が読む本は、家族や友人から送ってもらう他、刑務所で開かれる巡回書店で購入したもので、次から次へと読破していく彼の監房には本があふれ、ついには寝返りを打つスペースもなくなるほどの状態となった。これを見た刑務所は、所内で使用されていない監房を彼の書庫として使用することを許可。そこに運び込まれた書籍は約5,000冊に上るという。

 なお陳死刑囚は今年初め、これまで読んだ本の中で特に感銘を受けた書籍で、ある教師が死刑判決を受けた元教え子との交流を記した『在愛裡活著(愛に生きる)』を400冊購入し、各地の矯正施設に寄贈した。これについて陳死刑囚は「他の人間に口出しできる身分ではないが、読書には賢くなる、心を静めるなど良いところがたくさんある」と語っている。

 そんな彼に対し刑務所は現在、他の人間が教訓とできるよう、自らの物語を書き記すよう勧めているという。