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ASEとSPIL、株主総会で攻防へ


ニュース 電子 作成日:2015年9月25日_記事番号:T00059529

ASEとSPIL、株主総会で攻防へ

 半導体パッケージング・テスティング(封止・検査)最大手、日月光半導体製造(ASE)が同業大手の矽品精密工業(SPIL)に対する株式公開買付(TOB)に対抗し、SPILが鴻海精密工業との株式交換を通じた戦略提携を継続する方針を示したことを受け、ASEはSPILの株主に対し、10月15日に開かれる臨時株主総会で鴻海との株式交換に反対するよう呼び掛けた。25日付工商時報が伝えた。

 ASEは既にSPILの株式25%を掌握し、大株主となっているが、臨時株主総会では議決権がない。このため、ASEはSPILに出資する機関投資家に反対票を投じるよう働き掛けを開始した。

 ASEはまず、機関投資家に対し、SPILと鴻海の株式交換比率(鴻海1株に対しSPIL2.34株)は、新株の発行価格が40.03台湾元(約146円)に相当し、ASEによるTOB提示価格(45元)を下回るため不利だと訴えているもようだ。

 また、SPILと鴻海の株式交換では、SPIL株主に現金の支払いがない上、鴻海が割安な価格でSPILの増資後の株式21.24%を取得すれば、株式の希釈化を招き、SPIL株主の権益が損なわれると主張した。

 ASEはさらに、SPILが鴻海と株式交換を行っても、SPILが取得する鴻海の株式は2.20%にすぎず、戦略提携としては対等ではないと指摘した。

 SPILは「一連の疑問については、戦略提携説明会で既に詳細な説明を行った」との立場だ。

 一方、SPILとその経営陣は自社株買いで、同社の議決権の15%を獲得したもようだ。うち李文伯(バウ・リン)董事長は8月から9月にかけ、SPIL株を買い増し、持ち株比率を3%近くに引き上げた。会社としても過去2カ月間で自社株5,000万株を20億5,000万元で取得した。