ニュース その他分野 作成日:2015年9月30日_記事番号:T00059557
労働部の統計によると、8月の新規失業保険申請件数は9,208件で、前月比3,748件増、前年同月比1,216件増と急増し、今年最悪となった。労働部関係者は、最近の不景気でスマートフォン、液晶パネル、ねじ関連など大企業の多くが人員削減を行っており、会社都合による失業者が増えたと指摘。企業が無給休暇を選ばず一挙に人員削減に踏み切るほど景気が悪化している可能性があり、申請件数が今後も増加しないか注意深く見守るとの姿勢を示した。30日付経済日報が報じた。
新規失業保険申請件数は今年2〜7月、6,000件以下で推移していたが、8月に激増。今年1〜8月累計は4万9,599件で前年同期比4,161件(9.1%)増加した。
労働部関係者は、労働部は2008年の世界金融危機後に無給休暇制度を打ち出し、雇用主に人員削減でなく、まず無給休暇実施で不景気を乗り切ってほしいと呼び掛けたと指摘した。無給休暇対象者は9月15日時点で783人に上ったが、陳雄文労働部長は「非常に深刻とは言えない」との見方を示していた。
しかし、会社都合による失業者は今後も増える見通しだ。液晶パネル大手の友達光電(AUO)と群創光電(イノラックス)が最近100人以上を解雇した他、スマホ大手、宏達国際電子(HTC)は10月末までに台湾で600人、発光ダイオード(LED)最大手、晶元光電(エピスター)は180人を削減する計画だ。
「金融・精機にも削減の波」
中国文化大学の李健鴻・労工関係学系副教授は、会社都合による失業者の実際の数は労働部の統計をかなり上回っていると指摘した。また、大量解雇は現在、大手ハイテク企業に集中しているが、今後は金融業と精密機械業でも人員削減の波が起きる可能性があると懸念を示した。
李副教授は、失業者の多くが失業保険を申請できると知らない他、突然解雇を行った一部のハイテク企業は対象者に補償金を支払い、会社都合退職証明書を発給しないことがあるため、会社都合による失業者の数は公式統計を大きく上回ると指摘した。
また、人員削減は世界規模で起きており、欧米ではハイテク産業だけでなく、銀行の多くも人員削減を開始しているため、規模の小さい台湾金融業界にも人員削減が波及しないか観察が必要と述べた。
さらに、台湾の精密機械業は長期にわたる円安で打撃を受けており、今後景気がさらに悪化すれば、同産業も人員削減に踏み切る可能性があると警鐘を鳴らした。
エイサー、人員削減観測を否定
なお、パソコン大手、宏碁(エイサー)は第4四半期に、台湾子会社の従業員の約8.3%に当たる15人を削減するとの観測が浮上したが、黄鐘鋒エイサー台湾地区総経理は、「従業員の生産性をさらに高める方法を管理職者と考えているだけで、実行するとは限らない」と強調した。エイサー本部も「子会社の方針にすぎず、グループ全体の業績は人員調整が必要なほどひどくない」と説明した。
エイサー台湾子会社では、ある従業員が、第4四半期に同社が15人を削減し、管理職者に10月13日までに対象者リストを提出するよう求めた黄総経理の署名付き内部文書を台湾メディアに暴露していた。
エイサー台湾子会社の従業員は180人で、台湾での製品販売を専門に手掛ける。同社は6四半期連続で黒字を計上しているとされる。
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