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台北のタクシー値上げ、乗客・運転手双方から不満


ニュース 社会 作成日:2015年10月2日_記事番号:T00059585

台北のタクシー値上げ、乗客・運転手双方から不満

 大台北地区(台北市、新北市、基隆市)のタクシー料金が1日より約14%値上げされたが、ほとんどの車両では新料金に対応したメーターを導入しておらず、車内に紙の料金対照表を貼り出し、旧型メーターの表示料金に値上げ分を加算して運賃を徴収している。このため乗客の間で「料金を多く取られているのではないか」との不信感が高まっている一方、運転手からも「わずかな加算のために長々と説明しなければならない」と不満の声が上がっている。


料金表を持つタクシー運転手。値上げされたことを知らない乗客もいるそうだ(1日=中央社)

 大台北地区を走るタクシー5万6,000台のうち、値上げに対応した新型メーターを導入したのは約1,800台とわずか3%程度にとどまっており、ほとんどの運転手は料金表に頼って運賃を徴収している。

 しかし、出退勤によくタクシーを利用するという女性は、「乗客に提示される料金表はとても簡単なもので、余分に徴収されたとしても客には分からない」と不信感を示した。

 一方、運転手の側も「料金表を手に新たな料金制度について長々と説明しなければならず、面倒だ」と不満をこぼしている。特に外国人観光客を乗せた場合はどう説明すればよいかと頭を抱えてしまうそうだ。

 また料金表の印刷が間に合わず、依然入手できていない運転手も多いようで、この場合は自分の携帯電話で撮影した画像を客に見せて説明しているという。

 ある運転手によると、あまりの面倒くささから、短距離で旧料金との差が10台湾元や20元程度の場合は加算分を徴収しない運転手も多いそうだ。このため、同じ距離を乗車しても、運転手によって料金に差が生じる事態となり、乗客の間で不信感がさらに高まるという悪循環に陥る可能性がある。

 なお交通部は、6社の新型メーターが現在審査を受けており、年内には大台北地区のタクシーの80%以上で交換が完了するとの見通しを示している。