ニュース 社会 作成日:2015年10月5日_記事番号:T00059612
イヌやネコなどのペットも病気にかかれば輸血が必要となる場合がある。しかし台湾では関連法や監督制度の整備が進んでいない上、血液の供給が安定していないことから、輸血にかかる費用がまちまちで、中には250ccの血液が1万台湾元を超えるケースもあるという。このため、財団法人消費者文教基金会(消基会)は「世界動物の日」を翌日に控えた3日、政府に対し血液の安定供給に向けた仕組みを確立するよう呼び掛けた。
台湾でペットのイヌやネコが輸血を受ける場合に使用される血液は、各動物病院が輸血用に飼育している供血犬や供血猫から採血したものや、病院が民間のブリーダー、または輸血専門の飼育業者から購入したものが使用されており、価格は1cc当たり7〜70元と大きな開きがある。
またイヌには大きく分けて8種類の血液型が存在し、適合しない血液を輸血した場合、死に至る可能性もあるため、事前に検査が必要となる。しかもこの検査にも約1万元の費用が掛かる上、血液の安定供給を確保する仕組みが存在しない中、検査の結果、適合する血液がなかなか見つからず、見つかった時には手遅れだったというケースもあるようだ。
このため消基会は獣医および動物福祉の監督機関となっている行政院農業委員会(農委会)が輸血用の動物を飼育する、または毎月の血液需要に基づいた血液バンクを設置するとともに、血液適合検査の価格統一に向けた監督制度を確立するよう提言している。
なお台北市の中研動物医院の楊孝柏院長は、民間の野良犬・野良猫保護施設からペット用の血液を一定の価格で購入する制度を構築すれば、血液を売って得た資金で保護された動物たちの飼育環境も改善され、健康状態も良くなり、引き取り手が現れる確率も高まるとの考えを示している。
ただこの提案について農委会・動植物防疫検疫局(防検局)は、保護施設の動物の血液には健康上の問題があるため輸血には適さないとの見解を示しており、実現は難しそうだ。とはいえ、同局も何らかの対策が必要とは認識しており、獣医師団体や動物保護団体と血液バンクの設立に向け速やかに協議を進める考えを表明した。
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